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腎臓病で食べていいもの一覧「何を食べていいか」は〇〇によって変わってくる?!

[2025.10.31]

※当記事は森 維久郎院長が監修しています。

こんにちは、赤羽もりクリニックです。

今日は「腎臓病で食べていいもの一覧」についてお話しします。

「腎臓病だけど、何を食べていいのかわからない…」
「自己流で食事制限して大丈夫?」

と不安に思っている方も多いのではないでしょうか?

実は、腎臓病の食事は検査結果によって一人ひとり異なり、必ずしもすべての人が厳しい制限をする必要はありません。そのため、何を食べてよいかは人それぞれとなります。

そこで当記事では、腎臓病の基本を押さえることで、自分で安心して食事を選べるようになるためのポイントを、わかりやすく解説していきます。

腎臓を守るため基本の食生活を理解しよう

食事についてどの程度の調整が必要かは、採血や尿検査の検査結果によって一人ひとり異なります。

そのため、健診結果が出てすぐに食事制限を始めるのではなく、まずは自分の腎臓の状態を把握することが第一歩です。

参考記事:腎臓病に良い食べ物で腎機能の低下を防ぐための3つの基礎知識

腎機能を確認しよう

腎機能がどのくらい保たれているかによって、食事の内容や注意点が変わってきます。また、腎臓病の背景にある高血圧や糖尿病などの基礎疾患によっても、腎臓への影響や進行のスピードは異なります。

そのため、まずは食事よりも先に「何が腎臓に負担をかけているのか」を知ることがとても大切です。

腎臓は血液をろ過して老廃物を排泄するほか、血圧の調整やホルモン分泌など体のバランスを整える役割を担っています。だからこそ、定期的な採血と採尿による検査で自分の腎機能を確認することがとても重要です。

本当に食事制限が必要な方とは

eGFR、尿たんぱくに加え、カリウム・リンの数値が異常値な場合は本当に食事制限が必要になります。

カリウムやリンは腎臓で排泄されるため、腎機能が低下すると体内に蓄積して上昇することがありますが、まずはしっかりと医療機関で検査を行い、自己判断で制限を行わないことが大切です。

腎臓病で食べていいものを押さえて楽しく食事をしよう

腎機能(eGFR)や検査結果、さらには高血圧・糖尿病などの原因疾患によって適した食事内容は異なります。“何を食べてはいけないか”よりも、“どう食べれば腎臓を守れるか”を意識することが重要です。

食事の基本は、主食・主菜・副菜のバランスを意識することが大切です。

ごはん・パン・麺類は食べても大丈夫:糖質でエネルギーを摂ろう

主食(ごはん・パン・麺類など)は、エネルギー源として非常に大切です。主食を抜くと体がエネルギー不足になり、筋肉を分解してエネルギーをつくろうとするため、かえって腎臓に負担がかかります。

適量の炭水化物をしっかり摂ることで、体に必要なエネルギーを保ち、タンパク質を節約する効果もあります。

タンパク質を含む食品は食べてよいが気をつける点がある

タンパク質は筋肉や臓器、ホルモンなど体をつくる大切な栄養素です。しかし、タンパク質を分解する過程で「尿素窒素」などの老廃物が発生し、それを腎臓が処理しています。

腎機能が低下している場合、この老廃物の排泄がうまくいかず体内にたまりやすくなるため、必要に応じて摂取量を調整する必要も。

腎臓の状態や進行度、体格や合併症の有無によってタンパク質をどの程度摂るべきかは変わります。むしろ、病気の初期や栄養状態がよい方は、無理に制限しないほうが体にとって良い場合もあります。

自己判断でタンパク質を大幅に減らしてしまうと、栄養不足や筋力低下を招き、かえって健康を損なう危険があるのです。

タンパク質を含む主な食品一覧

  • 肉類(鶏むね肉、豚ヒレ、赤身の牛肉など脂肪の少ない部位)
  • 魚類(鮭、タラ、サンマ、さばなど)
  • 卵(良質なタンパク質源)
  • 豆腐、納豆、厚揚げなどの大豆製品

そのため、「自分の場合は制限が必要かどうか」を医師や管理栄養士に確認することがとても大切です。

野菜・果物・豆類も食べてOKだがカリウムに注意

カリウムは血圧を調整し、心臓や筋肉の働きをサポートする重要なミネラルです。通常は腎臓が余分なカリウムを排泄しますが、腎機能が低下すると体内に蓄積し、高カリウム血症を起こすことがあります。

そのため、検査でカリウム値が高い方は食事内容や調理法に注意が必要ですが、一方で検査結果が安定している方はカリウムを含む食品を過度に避ける必要はありません。

カリウムは野菜や果物、豆類などに多く含まれ、体の調子を整える上でも大切な栄養素です。つまり、「制限」よりも「適量を知ること」が大切です。

まずはしっかり検査をして、自分に合った摂取量を確認し自己判断での制限は控えましょう。

カリウムを多く含む食材一覧

 ・芋類(じゃがいも、さつまいも、里いもなど)
 ・野菜(ほうれん草、ブロッコリー、トマトなど)
 ・果物(バナナ、アボカドなど)
 ・ナッツ類

上記のような食品も、検査結果が安定していれば取り入れて問題ありません。摂取量の目安は、医師や管理栄養士にしっかりと確認しましょう。

味つけのポイント: 適正な塩分摂取量を確認しよう

塩分の摂りすぎは、高血圧や腎臓への負担を招きます。塩分が多いと血圧が上がり、血管がダメージを受けます。

腎臓を守るために1日の塩分量は3g以上6g未満を目指しましょう。

減塩のコツ

  • だし(昆布・かつお・干ししいたけ)で旨味をアップ
  • レモン汁や酢、香辛料で風味をプラス
  • 醤油やソースは「かける」より「つける」
  • 加工食品(漬物、ハム、カップ麺など)は控えめに

無理をせず、できることから少しずつ始めることが継続のコツです。

腎臓のしくみをチェックして、自分の状態を知ろう

自分の腎臓がどのくらい働いているのかを「数値」で確認することがとても大切です。

採血や尿検査を行うことで、腎臓の状態を客観的に把握できます。 特に、腎機能を評価するうえで欠かせないのが次の2つです。

  • eGFR(推算糸球体ろ過量)

健康な人の腎臓を100点満点としたときに、腎臓が現在何点かを示す数値です。クレアチニンの値に加えて年齢や性別などを考慮して計算されます。腎機能を評価するときには、クレアチニン単独の値ではなく eGFRで確認することが推奨されています。

  • 尿たんぱく

尿たんぱくは「腎臓の未来を表す」と言われるほど重要なサインであり、腎臓に負担がかかっていることを知らせるSOSです。

参考記事:クレアチニンの正常値とは?同時に腎機能やeGFRを検査で正しく理解しよう

さいごに

いかがでしたでしょうか?

当記事では「腎臓病で食べていいもの」について、検査結果に応じた食事の考え方や、注意が必要な栄養素について解説しました。

腎臓病の食事管理は一律ではなく、一人ひとりの腎機能や原因疾患・生活習慣にあわせて調整することがとても重要です。自己判断での制限は、かえって健康を損なうリスクもあるため、まずは医師や管理栄養士に確認するようにしましょう。

そこで赤羽もりクリニックでは、医師と管理栄養士が連携し、マンツーマンで日常の食生活を具体的に見直していけるため、慢性腎臓病が心配な方や、生活習慣について不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご連絡ください。 

参考文献:赤羽もりクリニック監修 医師と管理栄養士が教える腎臓病・糖尿病レシピの教科書

この記事を監修した医師
森 維久郎

赤羽もりクリニック院長、日本腎臓学会腎臓専門医。人工透析を減らす診療をコンセプトに年間1万人以上の外来診察を行う。 情報発信に力を入れており、合計4冊書籍を出版、YouTubeチャンネル「じんぞうの学校」を運営、チャンネル登録者3万人以上。 

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