脂質異常症と言われたらまず読んでほしい記事(症状、検査と原因、改善方法、何科を受診すればよいか)
こんにちは、赤羽もり内科・腎臓内科です。
本日は脂質異常症について触れたいと思います。以下のようなことでお悩みの方にぜひ読んでほしい記事です。
- 健康診断でコレステロールや中性脂肪が高いと言われた
- 家族もみんなコレステロールが高い
- 最近調子が悪くてインターネットで調べたらコレステロールが関与していそう
- 今まで脂質異常症の検査や治療について詳しく教えてもらっていない
- 脂質異常症って薬なしでも治るか知りたい? など
*当記事は院長の森医師が監修しております。
【目次】
脂質異常症とは
脂質異常症とは、血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪が高い状態のことです。
以下の項目に異常があると指摘されます。
- 悪玉コレステロール(LDL-C)
- 善玉コレステロール(HDL-C)
- 中性脂肪(TG)
悪玉コレステロールが体の隅々の細胞にコレステロールを運搬する役割があり、大量にあると血管に必要以上にコレステロールを届けてしまうことで動脈硬化が起きます。
一方で善玉コレステロールは、血液中の余分なコレステロールを回収する役割があり、多い方がよいと考えられています。
中性脂肪は正常の量であれば、必要なエネルギー源、体の保温の役割を担いますが、多いと肥満、糖尿病などの原因になります。
それぞれ以下のような数値で診断となります。
脂質異常症の症状
脂質異常症には症状が全くありません。
症状がないまま数十年放置すると、動脈硬化が進行して以下の症状・合併症を引き起こします。
- 心筋梗塞
- 心不全
- 脳卒中 など
脂質異常症の検査と原因
脂質異常症と言われたら以下の2つの検査を行います。
- 脂質異常症による動脈硬化の検査
- 脂質異常症の原因を調べる検査
脂質異常症による動脈硬化の検査
動脈硬化の評価として以下のような検査を行います。
- 血圧脈波検査
- 頸動脈エコー など
参考
脂質異常症の原因を調べる検査
脂質異常症の原因として、以下のようなものがあります。
- 生活習慣の乱れ(運動不足、不規則な食生活、肥満)
- 遺伝
- 二次性の脂質異常症 など
特に背景に何らかの病気がある場合は二次性の脂質異常症と言われ、もともとの病気の治療が必要になり、以下のような病気があります。
- 甲状腺の機能低下
- 腎臓のネフローゼ症候群
- 肝臓の異常 など
脂質異常症を改善する方法
脂質異常症を改善する方法として以下のような方法があります。
- 脂質異常症をよくする食事
- 脂質異常症をよくする運動
- 脂質異常症とダイエット
- 脂質異常症の薬 など
肥満や運動不足など明らかな生活習慣での改善点がある時は、まずは生活習慣の改善からおこないます。
ただし、遺伝や体質の影響で生活習慣とは関係なく脂質異常症が起きている場合については最初から薬の治療を提案することもあります。
脂質異常症をよくする食事
悪玉コレステロールを下げる食生活の例として不飽和脂肪酸の食事を選ぶ方法があり、以下のようなものが当てはまります。
- 青背の魚(いわし、さば、あじ)
- 大豆製品(豆腐、納豆、高野豆腐) など
中性脂肪を下げる食生活の例として糖質を含む食材を減らしたり、アルコールを控えるなどの方法があります。
詳しくは「LDL(悪玉)コレステロールを下げる食べ物の4つの基礎知識(今後更新予定)」をご参照ください。
脂質異常症をよくする運動
有酸素運動とレジスタンス運動(簡単な筋肉トレーニングのようなもの)を組み合わせて行うことが望ましいとされています。
運動を辞めるとまた脂質異常症の状態が悪化する可能性があります。種目は何でもよいので楽しく継続できることが大切です。
脂質異常症とダイエット
メタボの方は、ダイエットをすることで脂質異常症が改善する可能性があります。
目安として体重を5%ほど減量を目標とし、例えば60kgの人であれば3kgの減量を目標にしてもらっています。
その後、数ヶ月後に採血検査をもう一度行ない経過観察します。
脂質異常症の薬
食事や運動療法で改善が難しいと考えられた場合は、薬を使用します。
よく使われる薬としてスタチンと呼ばれるお薬があります。
スタチンは世界中で使われているコレステロールを下げる薬で、科学的信頼性の高いお薬です。
肝臓で合成されるコレステロールを減らすことでコレステロールを減らします。
副作用に関しては、以下のようなものが有名で症状にも出ないほどの軽症のものも含めて1-5%程度と言われています。
- 筋肉の障害
- 肝臓の障害 など
そのため投薬後2週間は厳重に経過観察をして、効果の測定と副作用の評価目的で採血を行うことが進められます。
脂質異常症は何科に受診すればよいの?
脂質異常症は内科のクリニックでも対応が可能なことが多いです。
動脈硬化の検査を希望の場合は以下の診療科をお勧めします。
- 循環器内科
- 腎臓内科
- 糖尿病内科 など
食事や運動で治療をしたい場合は管理栄養士さんが在籍しているクリニックが良いでしょう。
中々近隣に管理栄養士さんが在籍しているクリニックがなければ当院にご相談ください。
当院での受診をご希望の方へ
この記事をみてドキッとされた方もいらっしゃるかもしれません。
病院に行くのは少しハードル高い....という気持ち、とても分かります。
脂質異常症には初期には自覚症状がなく、早く見つけることができればという患者さんを一杯みてきました。
まずはお気軽にご相談ください。
当院は「検査」と「相談」を力を入れています。
単純にコレステロールが高いから下げるという機械的な診療ではなく、以下のような検査や相談が可能で多角的に診療をしています。
- 二次性の脂質異常症の有無を調べる検査
- 頸動脈エコーや血圧脈波などの動脈硬化の検査
- 栄養カウンセリング など
仮に脂質異常症であったとしても、軽症であればいきなり薬を出すのではなく、食事療法や運動療法、ダイエットなどの生活習慣の改善で治療をしていくことができることもあります。
自分で色々調べるよりも、一度専門家に相談してアドバイスをもらい、日々の生活の中で実践することを推奨します。
お電話・webより、診察のご予約を受け付けております。
▼web予約
▼電話予約
【ご注意】
- 予約優先でのご案内となります
- web予約は1時間前まで可能です※電話は随時対応
- 予約なしの受診も可能ですが、待ち時間が長くなる場合がございます
▼腎臓病について知りたい方はこちら
- 当院の腎臓内科
- 【トライアル運用中】オンラインセカンドオピニオン(腎臓内科)
- 腎臓病の基本知識:ステージ、原因、検査 - 専門医が徹底解説
- 腎臓病の初期症状をチェックしよう ~この症状って腎臓??~
- クレアチニンとは?数値が高いときの原因・症状・治療方法を解説
- eGFRとは?eGFRと腎機能の関係性について解説
- タンパク尿とは?原因と改善のための治療方法
- 尿潜血とは?原因となる病気や陽性になったときに行う検査
- シスタチンCとは?検査を行う理由と検査方法
- アルブミン尿とは ~腎臓の障害を早期発見する尿検査~
- FGF23とは
- 腎生検が必要と言われた時に読んでほしい記事
- 腎臓病に良い食べ物で腎機能の低下を防ぐための3つの基礎知識
- カリウムを下げる食事療法で知っておきたい3つの基礎知識
- 腎臓リハビリテーションとは?効果やリハビリをおすすめする方について解説
- クレアチニンを下げる薬はある?腎機能が低下したときの治療薬
- フォシーガってどんな薬?腎臓病に効果的?医師が解説します。
- 腎性貧血とは
- 腎臓に良いサプリメントはある?腎臓内科の医師がお答えします
- 腎臓病に良い食事のレシピ集を作りました。
- IgA腎症とは?原因・症状・治療方法について解説
▼糖尿病について知りたい方はこちら
- 血糖値とは?血糖値が高いときの原因・症状について解説
- ヘモグロビンA1cとは?数値が高いときの原因や症状を解説
- 糖尿病とは?原因・症状・治療方法について解説
- 糖尿病の初期症状をチェックしよう ~この症状って糖尿病?~
- 糖尿病による神経障害とは?手足の痺れが気になる方は要チェック
- 糖尿病になぜなるの?原因・予防法は?医師が解説します。
- 糖尿病かもと思ったら行うべき2つの検査
- 血糖値・ヘモグロビンA1cを下げるための3つの生活習慣のコツ
- 糖尿病にきく運動や筋トレで血糖値を下げるための基礎知識
- 血糖値を下げる食べ物で糖尿病を良くする4つの基礎知識
- インスリン注射とは?注射が必要な理由や副作用について解説
- 糖尿病は自力で治せる?糖尿病の病気・薬との付き合い方
- 糖尿病にダイエットは効果がある?糖尿病と肥満の関係
- 糖尿病の治療で使用する薬の役割と副作用について解説
▼生活習慣病について知りたい方はこちら
▼エコー検査について知りたい方はこちら
▼クリニックについてはこちら