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血圧180mmHgのリアル 大丈夫なのか、放置するとやばいのか?医師が解説します

こんにちは、赤羽もり内科・腎臓内科の院長の森 維久郎です。

健康診断などで血圧が180mmHg以上で高血圧ですと指摘された方がいまこの記事を読んでいると思います。

結果説明の紙にはすぐに医療機関を受診するようにと書いてある一方、友人や家族、インターネットの情報では血圧は高くても大丈夫という意見も。

血圧180mmHgは本当に大丈夫なのでしょうか?放置しても問題ないのでしょうか?

また大丈夫じゃない時はどうすれば良いのでしょうか?

この記事では血圧180mmHgのリスクや対処法について解説します。

(なお、この記事での血圧は上の血圧である収縮期血圧について触れています。)

血圧180mmHgは大丈夫??放置するとやばい??

ずばり、結論から申し上げますと全然大丈夫じゃありません

高血圧症の中でも、緊急に治療をしなければ大変なことになる高血圧緊急症、高血圧切迫症と呼ばれる状態があります。

放置することで心臓に負担があり心不全になったり、脳の血管にダメージが加わり脳出血になったり、腎機能低下が進行して透析が必要になる可能性があるので放置するという選択は基本的にありえません。

勿論、血圧180mmHg以上でも症状がなく何も起きていない人の方が多いのですが、もし起きてしまったときになる病気が死に至ったり、仮に命を取り留めたとしても身体に障害が残るものが多いので必ず医療機関で治療をするべきです。

過去のデーターでは若年者における血圧180mmHg以上における死亡率は血圧120mmHg以下の方の18倍になるという報告があります。

次の章では、血圧180mmHg以上の時に起こりうる症状について詳しく解説していきます。

症状を把握することで、適切な対処法が見えてくるでしょう。

血圧180mmHgの時に起きる症状

血圧180mmHgの場合は、多くの方は自覚症状がありません。

それでも、血圧が高くなることで起こりうる症状を知っておくことは重要で、これらの症状が出た場合はより緊急度が増し治療に進む必要があるともいえます。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • めまい
  • 意識がもうろうとする
  • 視覚障害や視界の歪み
  • 呼吸困難
  • 息切れ
  • 動悸
  • 胸痛
  • 不規則な心拍 など

その他にも多彩な症状が起きますので、血圧が異常に高く何らかの不調が起きた場合は医師に相談することが重要です。

次の章では、血圧180mmHgの際に救急車を呼ぶべきか、入院が必要なケースについて解説していきます。

血圧180mmHgは救急車を呼ぶべきか?入院が必要なケースも?

血圧180mmHgが測定された場合、救急車を呼ぶべきかどうか、また入院が必要なケースがあるのか気になるところです。

以下では、緊急時の判断基準や入院が必要となるケースについて解説します。

〇救急車を呼ぶべき状況

血圧が高いだけで救急車を呼ぶ必要はないことが多いですが、先ほどお伝えした症状がある場合は救急車を呼ぶことを検討してください。

特に以下のような症状がある場合は脳や心臓の障害が起きている可能性があるので救急車も検討しても良いかもしれません。

  • 激しい頭痛
  • 吐き気・嘔吐
  • 動悸
  • 視野に異常がある
  • 胸痛
  • 息切れ
  • 意識が朦朧とする
  • 言語障害
  • 麻痺・しびれ など

これらの症状は、高血圧による合併症が起こっている可能性があるため、速やかに医療機関での対応が必要です。

〇入院が必要なケース

血圧180mmHgで必ずしも入院が必要というわけではありませんが、症状の有無、血液検査・尿検査、生理検査などで何らかの臓器の障害が起きていると考えられる場合は入院が検討されることがあります。

これらのケースでは血圧を一気に下げると逆にからだにダメージを与えてしまう可能性があるため時間単位で血圧の薬を調整する必要があるため入院での治療が望ましいです。

 

血圧180mmHg以上と指摘された場合、必ずしも救急車や入院が必要というわけではありませんが、自分の症状や体調をよく観察し、適切な判断を行いましょう。

少なくとも放置はしてはいけない状態なので医療機関を受診しましょう。

次の章では、血圧180mmHgになった時に必要な治療について解説していきます。

血圧180mmHgになった時に必要な治療

血圧180mmHgと診断された場合、適切な治療が必要です。

以下では、血圧を下げるための治療法や生活習慣の改善方法について説明します。

〇薬物療法

高血圧の治療では薬物治療だけでなく生活習慣の改善という選択肢もありますが、血圧180mmHg以上の場合はまず薬を使って緊急性がない状態まで持っていく必要があります。

降圧薬の種類や投与量は、患者の症状や体質に応じて医師が決定します。

尚、一生お薬を飲む必要があるんですか?とよく聞かれますが、そうとも限りません。

肥満の改善や、食生活の改善などを行ない血圧のコントロールがつく場合は辞めることが可能です。

薬を飲むことはあくまで手段であり、血圧を下げることが目的なので薬を飲まずに血圧がさがっていればなしで良いです。

ただし、血圧180mmHg以上になってしまう方は大方飲み続ける必要が多いのも事実です。

薬を続けるかどうかについては、まず緊急性のある状態から脱してから考えましょう。

火事が起きている時にはまず逃げて家から出て安全を確保するようなイメージです。

燃え盛る炎の中で火災保険のことを考えたりしても仕方ないですよね。

〇生活習慣の改善

薬の治療を行いまず緊急性のある状態から脱したら生活習慣の改善を考えていきます。

高血圧治療には、生活習慣の改善が欠かせません。

以下のポイントに注意してください。

  • 塩分制限: 1日の塩分摂取量を6g以下に抑えることが望ましい
  • 適度な運動: 運動習慣を持つことで血圧を改善することができます。ウォーキングや水泳などの有酸素運動が効果的ですが、無理のない範囲で運動を行ってください。
  • ストレスの軽減: 高いストレスは血圧を上げる原因となります。リラクセーション技法や趣味を通じてストレスを解消しましょう。
  • アルコールの適量摂取: 過剰なアルコール摂取は血圧を上げる原因となります。適量の摂取に注意してください。
  • 喫煙の禁煙: 喫煙は血圧上昇や動脈硬化を引き起こすため、禁煙が望ましいです。

〇定期的な経過観察

毎日の血圧測定と定期的な医療機関の受診で薬の調整や種類の調整を行いましょう。

 

血圧180mmHgの場合、適切な治療と生活習慣の改善を行うことで、健康状態を改善し、合併症のリスクを軽減できます。自分の体調や症状をよく観察し、医師と協力して治療に取り組みましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?

ちょっと物騒な言い方をしてしまったためこの記事をみてドキッとされた方もいらっしゃるかもしれません。

ただし血圧180mmHg以上だと流石にリスクが高いのでしっかり伝えることが大切だと思ってこの記事を書きました。

病院に行くのは少しハードル高い....という気持ち、とても分かります。

特に自覚症状もないのであとでいいやと放置した結果、心臓・脳・腎臓に後遺症が残った患者さんを多く見てきました。

まずはお近くの医療機関に必ずお気軽にご相談ください。

当院は「検査」と「相談」を力を入れています。

単純に血圧が高いから下げるという機械的な診療ではなく、以下のような検査や相談が可能で多角的に診療をしています。

  • 二次性高血圧の有無を調べる検査
  • 頸動脈エコーや血圧脈波などの動脈硬化の検査
  • 栄養カウンセリング など

仮に緊急性が高く薬での治療を開始したとしても、安定して緊急性を脱したら食事療法や運動療法、ダイエットなどの生活習慣の改善を試みて治療するという選択肢も用意しています。

自分で色々調べるよりも、一度専門家に相談してアドバイスをもらい、日々の生活の中で実践することを推奨します。

もし当院の診療にご興味がある場合は以下の紹介ページも一度ご覧になってください。

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