腎硬化症とは?症状・検査・治療法を腎臓専門医が解説
こんにちは、赤羽もりクリニック院長の森 維久郎です。
腎硬化症(じんこうかしょう)は、動脈硬化による腎臓の病気で、日本で3番目に多い透析の原因疾患です。
高齢化に伴い増えており、赤羽もりクリニックで力を入れて診療している病気の一つです。
腎硬化症とは?
腎硬化症とは、未治療の高血圧や喫煙、加齢によって起きる動脈硬化が原因の腎臓の病気です。
腎硬化症の検査
腎硬化症の検査としては、以下のような検査があります。
- 採血検査
- 採尿検査
- 超音波検査 など
採血検査としては、腎臓の状態をみるクレアチニン、eGFR、動脈硬化の原因となるコレステロール 、尿酸などを評価します。
採尿検査としては、腎臓の状態をみる尿タンパク(尿アルブミン)、尿中NAG・β2ミクログロブリンを評価します。
超音波検査では、腎臓の大きさを観察します。腎硬化症だと腎臓が小さくなったり、表面が凹凹になります。
腎臓以外にも大きな動脈に動脈硬化の所見がないかを観察します。
腎硬化症の治療
腎硬化症では、以下の治療を行います。
- 血圧の治療
- 脂質・尿酸の治療
- 合併症のチェック
血圧の治療
腎硬化症の治療は血圧の治療がメインで以下のような目標値でコントロールします。
タンパク尿(+)の場合:自宅の血圧125/75mmHg以下
タンパク尿(−)の場合:自宅の血圧135/85mmHg以下
タンパク尿がある場合は、腎臓に余分な圧力がかかっており負担が生じているため低めに血圧を下げます。
一方でタンパク尿がない場合は、血圧のコントロールはほどほどにした方が良いと考えられています。
特に以下の場合は血圧を下げすぎると腎臓の障害が進むことがあるので注意します。
- 動脈硬化が強いとき
- 高齢者
- 脱水が起きやすいとき
- ロキソニンやビタミンDを飲んでいるとき など
基本は薬物治療で腎臓を守る血圧の薬などを使用し、塩分を減らしたりダイエットをすることで薬を最小限にして血圧を調整することも可能です。
脂質・尿酸の治療
腎硬化症の患者さんは、腎臓だけでなく心臓や脳の動脈硬化も進んでいることがあります。
そのため動脈硬化に関わる脂質・尿酸の治療も行った方が良いときもあります。
脂質に関しては、悪玉コレステロールを中心に治療します。
適度な運動と明らかに油っぽい食事を避けて、改善しなければスタチンというコレステロールを下げるおくすりを使用します。
尿酸については、腎臓病の患者さんでは治療を行うことで腎臓を守る可能性があり推奨されています。
合併症のチェック
腎硬化症の患者さんでは定期的に腎臓以外の臓器の状態を確認します。
具体的には心臓の状態をみるために、心電図、心エコーなどを行ったり、足の血流を確認するために血圧脈波の検査を行います。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
腎硬化症は、初期には自覚症状がほとんどなく、知らない間に進行してしまうことが多い怖い病気です。
しかし、早期に血圧や血液の成分を適切にコントロールし、生活習慣を見直すことで、透析に至るリスクを大幅に減らすことが可能です。
赤羽もりクリニックでは、腎臓専門医の診察に加え、管理栄養士による食事指導や運動療法のアドバイス、最新の腎保護薬(MRA、SGLT-2阻害薬など)の導入など、チームでトータルサポートいたします。
「血圧が高く、最近腎機能が悪いと言われた」「いまの治療があっているか知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院の診療に興味がある方は以下の当院紹介をご覧くださいね。
診療時間
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