クレアチニンを下げるには?腎機能と数値の関係を正しく理解しよう
こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。
健康診断で「クレアチニンが高め」と言われて、不安になったことはありませんか?
クレアチニンは、腎臓のろ過機能を反映する大切な数値のひとつです。筋肉の代謝によって生じる老廃物で、腎臓の働きによって体外へ排泄されます。
そのため、クレアチニン値の上昇は腎機能の低下を示すこともありますが、一時的な脱水、筋肉量の多さ、薬剤の影響などでも変動することがあります。よって、 クレアチニン値が持続的に高い場合は注意が必要です。
現時点でクレアチニンを直接「下げる」方法はなく、腎臓への負担を減らしてこれ以上数値を上げないようにすることが大切です。
「クレアチニンって何?」
「腎機能が悪いってどういうこと?」
「数値を改善するには何をすればいいの?」
そのような疑問を持つ方に向けて、わかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
血液検査でわかるクレアチニンとは何か?
クレアチニンは、筋肉の代謝によって生じる老廃物の一種です。体内で不要となったクレアチニンは、腎臓によって血液からろ過され、尿として排泄されます。
そのため、血液中のクレアチニン濃度は「腎臓がどれだけ老廃物を処理できているか」を示す重要な指標です。
eGFRとクレアチニンの関係
クレアチニンの基準値は、男性が0.61~1.04mg/dl、女性が0.47~0.79mg/dlです。クレアチニンと同様に、腎機能を計測する指標にeGFR(推算糸球体ろ過量)という数値があります。
eGFRは、腎臓が血液をろ過する力を数値化したものです。健康な人の腎臓を「100点満点」としたときに、現在の腎臓が何点かを示すイメージです。
eGFRは、血液中のクレアチニン値をもとに、年齢や性別などを組み合わせた特別な計算式で算出されます。そのため、腎機能の評価には、eGFRが用いられます。
eGFRが 60 mL/分/1.73m²未満 になると、慢性腎臓病の可能性があると考えられます。腎機能が低下した場合は、継続的な経過観察や治療が必要となることがあります。
検査時の注意点
クレアチニン値は、検査当日の体調や水分状態によって変動することがあります。特に注意したいのは脱水です。
水分が不足すると血液が濃くなり、クレアチニンが高く出ることがあるため、前日からこまめな水分補給を心がけましょう。
また、発熱・感染・疲労など体調が万全でないときにも数値が一時的に上昇することがあります。体調が悪い状態での結果は正確な判断が難しいため、可能であれば体調の良い日に検査を受けることをおすすめします。
1度だけではなく何度か検査をし、経過を追って見ていくと良いでしょう。
クレアチニンを下げるための方法はあるのか
「クレアチニンを下げる直接的な方法」は基本的には存在しませんが、生活習慣を見直すことで腎臓の負担を減らすことは可能です。
適度な運動の重要性
筋肉量はクレアチニン値に影響するため、極端な筋トレや激しい運動直後は一時的に数値が高くなることがあります。しかし、ウォーキングやストレッチなどの軽い有酸素運動は、血流を改善し腎臓への負担を軽くする効果が期待できます。
特に、運動は高血圧や糖尿病の予防・改善にもつながるため、腎機能を守るためにも「無理のない運動習慣」を継続することが大切です。まずはテレビを見ながら、家事の合間にストレッチなど、できることから取り入れていきましょう。
腎機能を守るための食事
食事の内容は腎臓への負担に大きく関係します。クレアチニンを下げる食事はありませんが、腎機能を守るために意識したいポイントは次の通りです。
・塩分を控える:「減塩」は血圧の上昇を防ぎ、腎臓の負担を軽くします。腎臓を守るためには1日3g以上6g未満を目標にしましょう。
・タンパク質は適量に:タンパク質の過剰摂取は腎臓のろ過機能に負担をかけます。しかし、体を作っていくために肉・魚・卵などのタンパク質は大事な栄養素になっています。
自己判断での制限は危険なので、医師と相談してバランスを意識するのがポイントです。
腎機能を低下させる生活習慣病に注意
腎機能の低下には、生活習慣病が深く関わっています。特に次の3つは注意が必要です。
・高血圧:血管に圧力がかかり続けると、腎臓の細い血管がダメージを受け、ろ過機能が低下します。
・糖尿病:高血糖状態が続くと腎臓の毛細血管が障害され、「糖尿病性腎症」を起こすことも。
・脂質異常症:血液中の脂質が多いと動脈硬化が進み、腎臓への血流が悪化して機能が落ちやすくなります。
これらの病気は自覚症状が少ないため、定期的な健康診断と生活習慣の見直しが重要です。
健康診断でクレアチニンが高いときは再検査を
一度の検査でクレアチニンが高くても、すぐに「腎臓の病気」とは限りません。脱水や体調不良、一時的な要因による上昇の可能性もあるため、まずは数週間〜数か月後に再検査を行い、数値の推移を確認しましょう。
それでも数値が改善しない場合やeGFRが低い場合は、腎臓専門医による詳しい検査が必要です。早期発見・早期対策が腎機能を守るカギになります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
当記事では腎機能との関係や、生活習慣の見直しによって、クレアチニン値が上がらないように腎臓の負担を減らす方法について詳しく解説しました。クレアチニンの数値は一時的な要因で変動することもありますが、日々の食生活や運動習慣、そして生活習慣病の予防が腎臓を守るカギとなります。
正しい知識をもとに、継続的なケアをしていくことが大切です。
そこで赤羽もりクリニックでは、医師と管理栄養士が連携し、あなたのライフスタイルに合わせた栄養サポートを行っています。
クレアチニンが気になる方はもちろん、慢性腎臓病が心配な方や、生活習慣について不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご連絡ください。
参考文献:日本腎臓学会編 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023
赤羽もり内科・腎臓内科著 管理栄養士にも役立つ赤羽もり内科・腎臓内科式腎臓病のレシピの教科書
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