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糖尿病性腎症とは?症状・検査・治療法を腎臓専門医が解説

[2025.06.03]

こんにちは、赤羽もりクリニック院長の森 維久郎です。

本日は糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)のお話をします。

糖尿病性腎症は人工透析の一番の原因となる病気で、当院でも力を入れている病気です。

*この記事は赤羽もりクリニック院長の森医師が監修しております。

糖尿病性腎症とは?

糖尿病性腎症とは、糖尿病で血糖値が高い状態に年単位で晒された結果、腎臓に障害が起きた状態を言います。

糖尿病は、神経、眼、腎臓の順番で全身に障害を起こし、腎臓に障害が出ると糖尿病性腎症と診断されます。

 

糖尿病性腎症の検査

糖尿病性腎症の検査としては、採血検査と採尿検査があります。

採血検査としては、腎臓の状態をみるクレアチニン、eGFRや、糖尿病の状態をみる血糖値、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を評価します。

採尿検査としては、腎臓の状態をみる尿タンパク(尿アルブミン)、尿中NAG・β2ミクログロブリンや、糖尿病の状態をみる尿糖などを評価します。

これらの検査を行い、「早期発見して、放置せず、早期治療する事」が大切です。

特に尿タンパク(尿アルブミン)は、とき既に遅しの状態になる前段階で出てくるSOSの役割を果たすので1年に1度は評価を推奨します。

 

糖尿病性腎症の治療

糖尿病性腎症では、以下の治療を行います。

  • 血圧の治療
  • 血糖の治療
  • 脂質 ・体重の治療
  • 合併症のチェック

血圧の治療

糖尿病性腎症の治療の1丁目1番地が血圧の治療(+血糖の治療)で、自宅での血圧を125/75mmHg以下にします。

基本は薬物療法を中心にしますが、塩分を減らしたりダイエットをすることで薬を最小限にして血圧を調整することも可能です。

(なお、糖尿病性腎症でしっかり血圧をコントロールできている患者さんは30%にも満たないと言われています。。)

 

血糖の治療

腎臓をこれ以上に悪くしないために、HbA1cという値を7%を切る事を目標にします。

基本は薬物療法を中心にしますが、血糖が上がりづらい食事療法やダイエットをすることで薬を最小限にして血糖を調整することも可能です。

糖尿病のくすりの中でもSGLT-2阻害薬やGLP1製剤は腎臓病に良い効果があり積極的に使用します。

 

脂質・体重の治療

腎臓病の患者さんは、動脈硬化が強くて、心臓や脳に病気を起こしやすいと言われています。

コレステロールが高い状態を放置すると、動脈硬化が更に進行するため、腎臓病の患者さんでは積極的に脂質の治療をします。

同時に体重が多い時は、減量をしていきます。

 

合併症のチェック

糖尿病は、全身に障害を与えるので、腎臓だけでなく心臓、脳、眼など多くの臓器に障害がないかをチェックします。

定期的に、採血検査、眼底検査、血圧脈波など腎臓以外の合併症のチェックをして兆候がないかを調べます。

 

さいごに

糖尿病性腎症は、自覚症状がほとんどないまま静かに進行し、放置すると透析導入リスクを大きく高める怖い病気です。

しかし、早期に診断して血圧や血糖をしっかりコントロールし、適切な薬を組み合わせることで進行を食い止めることができます。

赤羽もりクリニックでは、腎臓専門医・管理栄養士による食事指導や運動療法のアドバイス、最新の腎保護薬(SGLT-2阻害薬やGLP-1製剤)の導入など、チームでトータルサポートいたします。

「尿タンパクが出ていると言われた」「最近、血圧や血糖値のコントロールがうまくいかない」「腎機能の将来が不安…」という方は、一度お気軽にご相談ください。

当院の診療にご興味がある方は以下の当院紹介をご覧になってくださいね。

この記事を監修した医師
森 維久郎

赤羽もりクリニック院長、日本腎臓学会腎臓専門医。人工透析を減らす診療をコンセプトに年間1万人以上の外来診察を行う。 情報発信に力を入れており、合計4冊書籍を出版、YouTubeチャンネル「じんぞうの学校」を運営、チャンネル登録者3万人以上。 

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