メニュー

慢性腎臓病は女性に多い?閉経後の体の変化は腎機能に関係するのか専門医が解説

[2025.10.16]

こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。

今日は「慢性腎臓病と女性」についてお話をさせていただきます。

腎臓病は女性に多いのかという疑問、閉経後の体の変化が腎機能にどのように影響を与えるのかなど、腎臓の専門医による視点から分かりやすく解説していきます。「むくみ」や「疲れやすさ」といった症状が気になる方、健康診断で腎臓の数値が気になった方は、ぜひ最後までご覧ください。

腎臓病は女性に多いのか

腎臓病の患者数は男女ともに多く、性別による単純な発症率の差は小さいとされています。しかし、女性特有のリスク要因や、病気の進行に影響を与える要素があるため、女性は自身の腎臓の健康について特別な注意を払う必要があります。

閉経後に腎臓病リスクが高まる理由

女性の腎臓病リスクが特に高まる時期の一つに、閉経後が挙げられます。これは、腎臓を守る働きを持つ女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が閉経に伴って急激に減少するためです。

女性ホルモンは、血圧を安定させたり、血管の健康を維持したりする作用があります。ホルモンの減少により、高血圧や脂質異常症といった腎臓病の危険因子が悪化しやすくなり、結果として腎機能が低下するリスクが高まると考えられているのです。

ライフステージによる変化

女性のライフステージにおける変化も、腎臓の健康に影響を与えます。妊娠中は体に大きな負担がかかるため、特に妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を発症した場合、腎臓への負担が増し、将来的に慢性腎臓病のリスクが高まることが指摘されています。

出産後も定期的なチェックが必要です。

参考記事:クレアチニンが少し高い更年期の女性は注意!腎臓病対策を専門医が解説

【女性向け】慢性腎臓病の進行を防ぐ生活習慣

腎臓病は早期に生活習慣を見直すことで、腎臓病の進行を遅らせることができます。特に女性が意識すべきポイントを見ていきましょう。

食事バランスに気をつけよう

腎臓病の予防において、以下の通り食事のコントロールは最も重要です。

  • 塩分制限: 過剰な塩分摂取は血圧を上げ、腎臓に大きな負担をかけます。薄味を心がけ、調味料の量を意識しましょう。
  • 適切なカロリー管理と食事量: 閉経後の女性ホルモンの減少は、脂質異常症のリスクを高め、内臓脂肪がつきやすくなります。適切な食事量でカロリーオーバーを防ぎ、肥満を予防することが、腎臓を守るためにも重要です。高血圧や糖尿病などの合併症がある場合は、医師や管理栄養士の指導のもと、タンパク質の摂りすぎにも注意が必要です。

女性が行いやすい運動を取り入れよう

適度な運動は、血圧や血糖値の改善、体重コントロールに役立ち、腎臓病の予防につながります。

  • 有酸素運動: ウォーキングや軽いジョギング、水泳など、無理なく続けられる運動を毎日30分程度目標に行いましょう。
  • ストレッチ・ヨガ: 激しい運動が苦手な方でも、自宅でできるストレッチやヨガは、血行を促進し、ストレス解消にも効果的です。特に女性に人気があり、継続しやすい運動です。

女性が注意すべき慢性腎臓病の症状

初期に現れる症状

慢性腎臓病は「沈黙の臓器」と呼ばれる腎臓の病気であるため、初期段階では自覚症状がほとんど現れませんが、病態によっては症状が出ることもあります。

  • むくみ: 特に朝のまぶたの腫れや、夕方の足のむくみに気づくことも。
  • 尿の泡立ち:尿から異常な大量のタンパクが出ると泡立ちが起きます。
  • 疲れやすさ・だるさ: 腎臓の機能低下により、貧血が起こりやすくなることも一因です。

進行した時に現れる症状

病気がさらに進行すると、老廃物が体内にたまることでさまざまな症状が現れます。

  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 強いだるさや息切れ
  • 皮膚のかゆみ

末期腎不全に進行すると、人工的に腎臓の働きを代行する透析(血液透析や腹膜透析)や、腎移植が必要になります。自覚症状がなくても、健康診断でクレアチニン値やeGFRの異常を指摘されたら、必ず専門医を受診しましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

今回は「慢性腎臓病と女性」について、特に閉経後の体の変化が腎機能に与える影響や、生活習慣のポイントをお話してきました。

女性ホルモンの減少やライフステージの変化は、知らず知らずのうちに腎臓への負担を増やしている可能性があります。

そこで、赤羽もりクリニックでは、女性ならではのライフサイクルやお悩みに寄り添いながら、医師と管理栄養士がチームでサポートを行っています。

マンツーマンで日常の生活習慣を具体的に見直していけるため、「最近、健康診断の数値が気になった」「閉経後の体調変化に不安がある」といった方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご連絡ください。

この記事を監修した医師
森 維久郎

赤羽もりクリニック院長、日本腎臓学会腎臓専門医。人工透析を減らす診療をコンセプトに年間1万人以上の外来診察を行う。 情報発信に力を入れており、合計4冊書籍を出版、YouTubeチャンネル「じんぞうの学校」を運営、チャンネル登録者3万人以上。 

診療時間
 
受付時間
9:00〜12:40
14:00〜16:40
16:00〜18:40

診療時間の詳細はこちら

アクセス

最寄り駅:JR赤羽駅東口から徒歩4分

例:大宮駅から約20分、東京駅から約25分、上野駅から約10分、渋谷駅から約20分、宇都宮駅から約70分、前橋駅から約80分

クリックしてGoogleMapを表示

アクセスの詳細はこちら

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME