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そのむくみ、腎臓のSOSかも!慢性腎臓病と浮腫の関係をわかりやすく解説

[2025.08.02]

※当記事は森 維久郎院長が監修しています。

こんにちは、赤羽もりクリニックです。

今日は「むくみ(浮腫)」と「腎臓」の関係についてお話ししたいと思います。 「足がパンパンになる」「朝、顔が腫れぼったい」などのむくみ、実は腎臓からのSOSサインかもしれません。

特に慢性腎臓病の初期には気づきにくいため、見逃さないことが大切です。 「最近むくみやすくなった」「体重が急に増えた」そんな方は、ぜひ最後までご覧ください。 

腎臓と体のむくみの関係とは?

慢性腎臓病の初期には自覚症状はほとんどないことが多いですが、病状が進行するとむくみの症状が現れてきます。

むくみは医学的に「浮腫」と呼ばれ、慢性腎臓病の進行とともに現れることがある重要なサインです。見過ごさず、原因を見極めることが大切です。

そもそも腎臓は血液をろ過し、老廃物や余分な水分を尿として体外に排泄する働きを担っています。この排泄機能が低下すると、体内の水分バランスが崩れ、むくみが起こりやすくなるのです。 

そして腎機能が低下すると、以下のようなメカニズムでむくみが生じます。 

 

尿として水分を排泄しにくくなる結果、余分な水分が体内に溜まりやすくなる。

・血液中のアルブミン(たんぱく質)が尿に漏れ出してしまい、水分を血管内に引き止める(=引き込む)役割を持つアルブミンが減るため、血管内の浸透圧が下がって水分が血管の外に染み出しやすくなる。

ナトリウム(塩分)の排泄がうまくいかず、ナトリウムと一緒に水分も体内に溜め込まれる。

 

こうしたメカニズムが続くと、「腎性浮腫(じんせいふしゅ)」と呼ばれるむくみが現れます。特に足の甲やふくらはぎ、まぶたの腫れなどに気づいたら、早めの受診をおすすめします。

むくみのセルフチェック法

・指で押しても戻らない「むくみ」
ふくらはぎや足の甲を親指で5秒ほどしっかり押してみてください。指を離した後、押した部分にくぼみ(圧痕)が残り、なかなか元に戻らない場合は「むくみ」が起きている可能性があります。

このようなむくみは「圧痕性浮腫(あっこんせいふしゅ)」と呼ばれ、体内に余分な水分が溜まっている状態を示しています。

・毎朝・毎晩の体重を記録してチェック
むくみは、体内の水分量が急激に変化することで起こります。そのため、毎朝・毎晩の体重変化を記録することも大切です。

1日のうちに1kg以上の増減がある場合は、体内に水分が過剰に溜まっているサインかもしれません。日々の記録をつけることで、むくみの兆候に早く気づけます。

・靴や靴下がきつく感じる日がある
朝はぴったり履けた靴が、夕方にはきつく感じることはありませんか?また、靴下のゴムの跡が深く残っているような場合も、むくみのサインです。

日によって履き心地に違和感がある場合は、脚のむくみが進行している可能性があります。無意識のうちに進行していることが多いため、小さな変化にも注意しましょう。

むくみが出るパターンを把握する

むくみのパターンを知ることは、原因を見極めるヒントになります。以下のポイントを参考にしてみましょう。

・時間帯の違い:朝に顔がむくみやすく、夕方になると足にむくみが出るのは、重力によって水分が移動しているためです。
左右差がある場合:片側だけにむくみが見られるときは、血管のつまりやリンパの流れの障害など、局所的なトラブルが疑われます。
水分の摂取量との関係:水を飲みすぎたわけでもないのにむくむ、あるいは少しの水分でもむくみやすい場合は、腎臓の水分調節機能がうまく働いていない可能性があります。

むくみを改善する方法

運動が効果的だが注意も必要

むくみの改善には、ふくらはぎの筋肉を動かすことが効果的です。筋肉がポンプのように働き、余分な水分を血流に戻す手助けをします。

ウォーキングや軽いストレッチ、つま先立ち運動など簡単にできる運動をし、血流・リンパの流れを促すことで、むくみ解消につながります。ただし、心不全や重度の腎疾患がある方は運動を控えなければいけない場合もあるので、医師と相談の上で実施してください。

減塩も大事なむくみ対策

食事から摂取する塩分が多いと、体内に水分を引き込みやすくなり、むくみが悪化します。

・塩分摂取量は1日3g以上、6g未満を目標に
・加工食品や外食は隠れた塩分が多いので注意
・出汁や香辛料、酸味を活用して減塩でもおいしく食事を

塩分制限は腎臓への負担軽減にもつながります。

【むくみ以外も要注意】慢性腎臓病の主な症状と見分け方

腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、かなり病状が進行するまで症状が出にくいのが特徴です。しかし、むくみ以外でも以下のような変化が見られた場合は、慢性腎臓病が疑われます。

・血圧が上昇:身体の水分や塩分の調整、血圧をコントロールするホルモンを調整することができなくなり、血圧が上がりやすくなります。
筋力が低下:筋肉量が落ち、筋力が低下しやすくなり、健康な人と比べて身体機能が7割程度になることも。
貧血:腎臓で分泌している血液を作るホルモンの低下により、貧血になりやすくなります。
骨粗鬆症:腎臓の働きが弱まると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが減り、骨が弱くなることも。
体内のミネラルの調整ができなくなる:腎臓は体内のナトリウムやカリウム、リンなどの濃度調整を担っています。カリウムの排泄がうまくいかないと、血液中のカリウムが高くなり、心臓に負担をかけるため、不整脈などの症状が出る可能性があります。

尿の変化は慢性腎臓病の早期発見の鍵

慢性腎臓病では、尿に以下のような変化が現れることがあります。

・泡立ちが強くなる(たんぱく尿の可能性)
・尿の色が濃い、量が少ない・多すぎる
・頻尿や夜間の排尿回数が増える

上記のように尿に変化があれば、尿検査をして確認することが大切です。

参考記事:慢性腎臓病(CKD)はストレスが原因⁉ 今すぐ始める“食事と生活習慣”の見直し術

むくみの原因は慢性腎臓病以外の病気も

むくみの代表的な病気

むくみは慢性腎臓病以外にも以下の通りさまざまな原因で起こります。

・ネフローゼ症候群:大量の尿たんぱくにより全身に強いむくみが出る
心不全:心臓のポンプ機能低下で血液が滞り、足を中心にむくみが出現
肝硬変:アルブミンが作れず水分保持ができなくなる

そこで、体の異変に気づいたら自身で判断せず、かかりつけ医に相談するなどして対処するようにしましょう。

手・足・顔・全身のむくみで注意すること

・手のむくみ:朝方に目立ちやすく、腎臓疾患やネフローゼ症候群の他、関節リウマチや甲状腺機能低下症など内分泌・膠原病が関与している場合もあります。
・足のむくみ:人の体は重力の影響を受けて体の下の方へ水分が溜まりやすくなるため、日中に足がむくみやすくなります。これは健康な人でも見られますが、腎臓や心臓に問題があると、より強く症状が現れる傾向になることも。
・顔のむくみ(特に朝):腎臓の機能が低下すると、就寝中に顔に水分が溜まりやすくなるため、朝のむくみとして現れやすいです。
・全身のむくみ:ネフローゼ症候群や重度の腎不全など、体内の水分バランスが大きく崩れる病気が原因となることがあります。

体の部位やむくむ時間帯の違いを観察することで、病気の種類や原因をある程度絞ることが可能です。

さいごに

むくみは一時的な現象と思われがちですが、実は体の異常を知らせる大切なサインのひとつです。特に、腎臓病などの慢性疾患では、気づかないうちに進行し、むくみとして現れることがあります。

日々のちょっとした体の変化にも注意を払い、気になる症状が続く場合は、早めに医療機関を受診することが、病気の早期発見・早期治療につながります。むくみが慢性的に続くようなら、自己判断せず専門家に相談しましょう。

そこで当院では、腎臓病の予防と進行の抑制に向けて、管理栄養士による個別の食事指導を行っています。むくみ対策に重要な「減塩」はもちろん、カリウムやたんぱく質の摂り方についても、検査数値をもとに根拠ある説明と提案を行っています。

マンツーマンで日常の食生活を具体的に見直していけるため、慢性腎臓病が心配な方や、生活習慣について不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご連絡ください。

参考文献:管理栄養士にも役立つ赤羽もり内科・腎臓内科式腎臓病のレシピの教科書

この記事を監修した医師
森 維久郎

赤羽もりクリニック院長、日本腎臓学会腎臓専門医。人工透析を減らす診療をコンセプトに年間1万人以上の外来診察を行う。 情報発信に力を入れており、合計4冊書籍を出版、YouTubeチャンネル「じんぞうの学校」を運営、チャンネル登録者3万人以上。 

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