皮膚に異常が出るのは慢性腎臓病が原因?症状には何があるのか専門医が解説
こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。
今日は「皮膚に異常が出るのは慢性腎臓病が原因?」というテーマでお話させていただきます。
「最近、肌のかゆみがひどい」「乾燥や湿疹がなかなか治らない」とお悩みの方、それは腎臓の不調が関係しているかもと気にされている方からよく質問を頂きます。慢性腎臓病が進行すると、さまざまな皮膚の変化が現れることもあります。
今回は、慢性腎臓病による皮膚症状の特徴や糖尿病によるものとの違い、予防法についても詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
慢性腎臓病の進行に伴って現れる皮膚の変化とは
慢性腎臓病の皮膚症状は、腎機能が悪化するにつれて血液中に老廃物が蓄積しやすくなると現れることがあります。代表的な症状を一つずつ見ていきましょう。
保湿機能の低下で起こる乾燥肌
腎臓病の方は血液中に老廃物が蓄積しやすいため、身体の中の環境が乱れ、角質層の水分保持がうまくいかなくなることがあります。その結果、皮膚の保湿機能が低下し乾燥肌になりやすい傾向に。
さらに、冬だけでなく一年を通して粉を吹いたような肌になることもあり、こうした乾燥はかゆみの原因にもつながります。
バリア機能の低下が皮膚炎を引き起こすことも
腎臓の機能低下によって老廃物が体内に残ると、皮膚のバリア機能が弱まり炎症を起こしやすくなります。赤みやかゆみを伴う皮膚炎は、慢性腎臓病の患者さんにしばしば見られる症状です。
毒素の蓄積による発疹
小さなブツブツや紅斑などの発疹が現れることもあります。腎臓機能が悪化し、保湿機能の低下で起こる血液中の毒素が蓄積することで免疫反応が過剰に働き、皮膚に発疹が出るケースがあります。
様々な影響によるかゆみ
腎臓病で最も多い皮膚症状が「かゆみ」です。特に透析を受けている患者さんでは「腎性掻痒症」と呼ばれ、強いかゆみで夜眠れなくなることもあります。
かゆみの原因は完全には解明されていませんが、尿毒素が体に排泄できなくなったり、乾燥などが複合的に影響していると考えられています。
全身のかゆみと局所的なものとの違い
かゆみには「全身に広がるタイプ」と「背中や腕など特定の部位に出るタイプ」があります。腎臓の機能が低下でかゆみが出る場合は全身に出る場合が多いと考えられてます。
参考記事:実はかゆみは初期症状ではない?腎臓病の本当のサインは“尿の変化
皮膚の変色にも注意
慢性腎臓病の進行により、皮膚が褐色や黄褐色に変わることがあります。これは体内にたまった老廃物や色素沈着が関与しているとされ、進行度を示すサインにもなります。
慢性腎臓病と糖尿病による皮膚症状の違い
腎臓病の皮膚症状と混同されやすいのが「糖尿病による皮膚トラブル」です。糖尿病患者は血糖値のコントロール不良により皮膚の免疫力が下がり、感染症や乾燥、かゆみを引き起こしやすくなります。
腎臓病と糖尿病は合併するケースも多く、両方の要因で皮膚トラブルが悪化することもあります。そのため、皮膚の異常が続く場合は主治医に相談のうえ腎機能・血糖値の両方を確認しましょう。
血糖値については以下のリンクを参考にしてください。
参考記事:【家族歴のある方必見】糖尿病は遺伝する?予防に役立つ食事のヒント
皮膚トラブルの対策と予防
慢性腎臓病による皮膚症状は完全に防げるわけではありませんが、生活習慣の改善やスキンケアによって軽減することが可能です。
腎臓をいたわる生活習慣とスキンケア
まず、生活習慣では規則正しい睡眠やストレスの少ない生活を心がけましょう。十分な休養は免疫力を保ち、皮膚のバリア機能を守ることにつながります。
また、過剰な塩分摂取は血圧を上げ腎臓に負担をかけるため、減塩を意識することも大切です。
スキンケアでは、肌の乾燥を防ぐことが基本です。入浴時は熱いお湯を避け、石けんの使いすぎに注意しながら、やさしく洗うようにしましょう。
入浴後はできるだけ早めに保湿剤を塗ると効果的です。特にかゆみがあるときは、無香料・低刺激の保湿剤を選ぶと安心です。
こうした小さな工夫を毎日の生活に取り入れることで、皮膚の不快感をやわらげながら、腎臓いたわりましょう。
腎臓病を見逃さないために検査を受けよう
もちろん生活習慣やスキンケアは重要です。腎臓病の皮膚症状は腎臓病の初期ではなく、腎機能がかなり悪化してから現れることが多いです。健康診断を数年受けていない場合などは腎機能低下を血液検査でチェックしてみるとよいです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は、慢性腎臓病によって現れる皮膚の症状について詳しくご紹介しました。
慢性腎臓病の皮膚症状は、初期ではなくかなり悪くなってから起きることが多いです。
普段から健康診断を受けている方については、腎臓以外の病気が原因になることが多い一方、数年間健康診断を受けているいない方の場合は一度腎臓の機能を確認してみましょう。
なお当院では、腎臓に不安を抱える方に向けて、マンツーマンで病気の根本となる食生活の見直しを具体的かつ継続できるようにアドバイスしています。慢性腎臓病が心配な方や、生活習慣について不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご連絡ください。
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