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SGLT-2阻害薬とは?腎保護効果や副作用について解説

[2025.06.03]

こんにちは。

赤羽もりクリニック院長の森 維久郎です。

腎臓病の世界で最近話題のSGLT2阻害薬についてお話をしたいと思います。

(当記事は赤羽もりクリニック院長の森医師が監修しています。)

SGLT-2阻害薬とは

SGLT-2阻害薬は、余分な糖を尿から出すことで血糖値を下げる薬です。

通常、血液中の糖分は、腎臓で一度排泄された後に再吸収されて一部だけ尿に排泄されます。

SGLT-2阻害薬は、糖の再吸収を抑えて、そのまま尿に排泄するようにする薬です。

 

SGLT-2阻害薬の腎保護効果

SGLT-2阻害薬には、血糖をおさえるだけでなく腎臓を守る作用があります

糖尿病・高血圧・肥満などでは、腎臓に負担がかかり、年単位で腎臓に障害を起こします。

SGLT-2阻害薬は、この腎臓にかかる圧力を減らすことで腎臓の負担を減らすことが近年の研究でわかりました。

以下の場合は積極的にSGLT2阻害薬を投与することを推奨します。

  • 糖尿病がある場合
  • 尿蛋白が出ている場合
  • 心不全がある場合
  • IgA腎症がある場合
  • 高血圧、貧血、脂質異常症、高尿酸血症がある場合 など

一方で糖尿病もなく尿蛋白が出ていない場合や筋力が低下している高齢者に対してはあまり使わない方が良いこともあります。

SGLT2阻害薬は病態や飲んでいるお薬から腎機能を逆に悪くするリスクもあるため、これらの判断は時に専門医が行った方が良いこともあります

(慢性腎臓病がある患者さんには糖尿病がなくても、SGLT2阻害薬が保険適用となっています。)

 

SGLT-2阻害薬の心保護効果

腎臓だけでなく、心臓を守る作用も期待されています。

心不全を減らすという結果も報告されており腎臓病の患者さんで心臓にも負担がかかっている事例では積極的に使用します。

日本では慢性心不全がある患者さんには糖尿病がなくても、SGLT2阻害薬が保険適用となっています。

 

SGLT-2阻害薬の副作用

SGLT-2阻害薬の副作用は以下のようなものがあります。

  • 脱水(投薬してから1か月以内で起きることが多いです。)
  • 尿路感染症
  • 性器の感染症(女性が多い)
  • 低血糖 など

対策として、SGLT-2阻害薬を開始後1か月は、水をしっかり飲んでください。(目安として、普段よりペットボトル500ml/日飲むと良いです。)

また、ご飯やお水が飲めないような病気になった時(=シックデイの時)は、血糖変動や脱水になるリスクが増えるので休薬して医師に相談してください。

 

SGLT-2阻害薬の値段

SGLT-2阻害薬は様々な製薬メーカーから販売されており、値段も会社ごとによって異なります。

あくまで参考としてですが、保険診療で3割負担と仮定すると50-100円/日程度のことが多いようです。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

SGLT2阻害薬は糖尿病だけでなく、腎臓や心臓を守る力がある新しいお薬です。

しかし、誰にでも適しているわけではなく、脱水や感染リスクなど副作用への配慮も必要です。

「自分に本当に必要か」「ほかの薬との飲み合わせはどうか」など、迷いや不安があれば、ぜひ専門医のアドバイスを受けてください。

赤羽もりクリニックでは、腎臓専門医がSGLT2阻害薬の適否をしっかり判断いたします。

導入前後の検査・フォローアップ体制も整えておりますので、「使ってみたいけど心配…」「他の治療とのバランスが知りたい」という方も安心してご相談ください。

もし当院の診療に興味がある方は以下の当院紹介ページをご覧になってくださいね。

この記事を監修した医師
森 維久郎

赤羽もりクリニック院長、日本腎臓学会腎臓専門医。人工透析を減らす診療をコンセプトに年間1万人以上の外来診察を行う。 情報発信に力を入れており、合計4冊書籍を出版、YouTubeチャンネル「じんぞうの学校」を運営、チャンネル登録者3万人以上。 

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