慢性腎臓病(CKD)はストレスが原因⁉ 今すぐ始める“食事と生活習慣”の見直し術
※当記事は森 維久郎院長が監修しています。
こんにちは、赤羽もりクリニックです。
「最近ストレスが多いけど、腎臓への負担が気になる」
「生活習慣が乱れているけど大丈夫かな…」
と思われてる方に向けて、「腎臓病とストレスの関係」についてお話しします。
生活習慣のちょっとした見直しが、腎臓を守る大きな一歩になりますよ。それでは、さっそく見ていきましょう。
実は身近な病気!慢性腎臓病(CKD)とは
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、腎機能がゆっくりと低下していく病気です。初期にはほとんど症状がなく、「沈黙の臓器」と言われる腎臓の病気に気づくのが遅れてしまうこともあります。
日本では、CKDの患者数が約1,330万人以上と推定されています。CKDの主な原因は、以下の2つです。
・高血圧:腎臓は細かい血管がたくさん集まってできている臓器です。そのため高血圧が続くと血管が損傷して、腎臓がダメージを受け、腎機能低下につながります。
・糖尿病:血糖値のコントロール不良により腎臓に負担がかかると、腎臓のろ過機能が低下します。
腎臓の働き
腎臓には、1日におよそ1,500Lもの血液が流れ込み、その中から約150L分の水分(原尿)をこして、体に必要なものは再び吸収し、いらないものだけを尿として約1.5L排泄。さらに腎臓は、血圧を調整したり、赤血球をつくるホルモンを出したり、骨の健康を保つ働きもあります。
健康な腎臓は、体内のバランスを整え、私たちの健康を守る大切な臓器です。
参考記事:腎臓の働きが悪くなると
ストレスが慢性腎臓病(CKD)の原因に
私たちは強いストレスを感じると、体を活動モードにする「交感神経」が活発に働きます。 交感神経は全身の血圧を上げる働きがあり、さらには腎臓の血管も収縮させるため、腎臓に届く血液の量は減ってしまうことに。
そして血流が不足すると、老廃物を取り除く腎臓のフィルター(糸球体)のろ過量が減るため、老廃物を尿としてうまく捨てられなくなります。さらに、腎臓は血圧を調整する「レニン」というホルモンを分泌していますが、血流不足が続くと「血液が足りない」と誤って判断して必要以上にレニンを出すようになります。
レニンは血管を収縮させる物質の働きを促すことで、結果的に血圧が上がりやすくなる仕組みです。そこで、血圧が慢性的に高い状態が続くと、腎臓の細かい血管に負担がかかり、ダメージを受け続けることで「動脈硬化」が進行します。
動脈硬化が腎臓に起こると血流がさらに減り、老廃物をろ過する力も弱まるため、血流不足と高血圧の悪循環に陥り、腎機能がじわじわと低下していきます。ストレスで交感神経が働きすぎることは、血流やホルモンバランスを乱し、腎臓に慢性的な負担をかける原因になるので、心身をリラックスさせる習慣を持ち、腎臓を守ることが大切です。
急性腎障害(AKI)もストレスが影響するのか?
腎臓の機能が急に悪くなる「急性腎障害(AKI)」という状態もあります。主な原因は脱水や感染、薬の影響などですが、強いストレスが加わると血圧が急に上がったり、体のリズム(自律神経のバランス)がくずれて腎臓への血流が減り、こうした要因と重なることでAKIのリスクが高まることも。
AKIは数時間〜数日という短期間で腎機能が急激に低下し、尿がほとんど出なくなったり、老廃物が体にたまったり、血液中のカリウム濃度が高くなる(高カリウム血症)などの症状を引き起こすことがあります。特に夏場の脱水や病後の体調不良のときにストレスが重なると、より注意が必要です。
尿に変化⁉ 腎臓のSOS症状をチェック
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、機能がかなり低下するまで自覚症状が現れにくいのが特徴です。そこで、一番大切なサインが 「尿たんぱく」 です。
尿たんぱくは「腎臓の未来をあらわす」と言われるほど重要なサインであり、腎臓に負担がかかっていることを知らせるSOSのサインとも言えます。特に泡立ちは尿中のたんぱく質が増えている可能性がある一方で、 尿の濃さや排尿の勢いなどの影響で一時的に泡立つこともあります。
泡立ちが続いて気になるときは、健康診断の「尿蛋白」の項目をチェックしてみましょう。ここで「±」や「+」と陽性反応が出ていた場合は、尿にたんぱく質が混じっている可能性があります。
ただし、尿の濃さなどの影響で一時的に「±」や「+」の陽性反応になることもあります。そのため必要に応じて定量検査(尿たんぱくの量をグラム単位で詳しく調べる検査)を行い、本当に尿たんぱくが出ているかを数値で確認することが大切です。
ストレスに負けない!腎臓を守る5つの生活習慣
仕事や普段の生活において、ストレスを避けることは難しいと思われます。そこで以下、ストレス下においても腎臓を守る5つの生活習慣をお伝えします。
【今日からできる食事の工夫】
・ 食塩を摂りすぎない
塩分の摂りすぎは血圧を上昇させ、腎臓に負担をかけます。
慢性腎臓病(CKD)の方の場合、『慢性腎臓病に対する食事療法基準(2014年版)』では、1日あたりの食塩摂取の目標量は「3g以上6g未満」。過剰な塩分は腎臓のろ過機能に負担をかけるため、減塩することで、腎臓の働きすぎを防ぎましょう。
例えば、タレは「かける」のではなく「つける」ようにすることで、簡単に減塩ができます。
・たんぱく質は適正な量をきちんと摂る
筋肉を維持し、腎臓に負担がかかりすぎないようにするためには適正なたんぱく質量を摂ることが大切です。大豆製品・卵・肉・魚など様々な食品から摂りましょう。
・エネルギーは適正な量を摂りましょう
炭水化物・脂質は身体で使われた後の老廃物が出ないのが特徴です。慢性腎臓病のステージが進んでたんぱく質制限が必要になったときは、たんぱく質を減らした分のエネルギーを炭水化物、脂質から摂ることがポイントです。
【無理せず適度な運動を継続】
ウォーキングや軽いストレッチなど、無理なく続けられる運動は、血流の改善とストレス解消の両方に効果的です。体を動かすことで体の休息やリラックスを促す役割を担う副交感神経が優位になります。
【十分な睡眠と休息】
睡眠は身体をリラックスさせるため、腎臓を含む内臓の回復に効果的です。
【自分に合ったストレスマネジメント】
瞑想や深呼吸、趣味の時間を持つこともストレスに効果的で、交感神経が過剰に活性化することを防ぎます。
【定期的な健康チェック】
日々の腎臓をケアするため、異変に気づく習慣を持つことも大事です。
・家庭で血圧を測る
・血液検査で腎機能(クレアチニン・eGFR)や血糖値を確認する
・尿検査で尿たんぱくを調べる
などの検査を定期的に受け、数値を確認するようにしましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
当記事では、「腎臓病とストレスの関係」や、今すぐ始められる食事・生活習慣の見直しについてお話ししました。ストレスと腎臓病は、一見関係がなさそうに思えるかもしれません。
しかし、ストレスが引き起こす交感神経の乱れや高血圧は、腎臓の機能に大きな影響を与えます。腎臓病の予防や進行抑制のためには、食事や生活習慣の見直しと同時に、心の健康を整えることも大切な“治療”の一部です。
「忙しいから」「まだ大丈夫」と思っている今が、見直しのタイミングかもしれません。腎臓と心の健康を守るために、今日からできる一歩を踏み出してみましょう。
なお、 当院では腎臓病の予防に向けて、管理栄養士による個別の食事指導を行っています。
マンツーマンで日常の食生活を具体的に見直していけるため、慢性腎臓病が心配な方や、生活習慣について不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご連絡ください。
参考文献:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023
管理栄養士にも役立つ赤羽もり内科・腎臓内科式腎臓病のレシピの教科書
慢性腎臓病に対する食事療法基準(2014年版)
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