テルミサルタンってどんな薬?腎臓病に効果的?医師が解説します。
こんにちは、赤羽もりクリニックの森 維久郎です。
今日は、腎臓を保護する血圧の薬「テルミサルタン」についての解説記事を書きます。
腎臓病の治療の大半で使用されているお薬ですが、腎機能を保護するために使用したこのお薬が、時折腎機能を悪くしてしまうこともあります。
しっかり理解を深めたうえで内服しましょう。
*尚、テルミサルタンはARBと呼ばれるお薬の一つです。テルミサルタンが格段に有名なので薬剤名を挙げていますがこの記事の内容はARB全体を示しています。
テルミサルタンとは?
テルミサルタンは、血圧を上げるレニン・アンギオテンシン・アルドステロンという身体のホルモンの分泌に作用することで血圧を下げるお薬です。
血圧を下げるだけでなく、心臓・腎臓に保護的に働く効果が報告されており日本でも良く使用されている薬です。
テルミサルタンの腎臓を守る作用について
テルミサルタンには、腎臓を守る作用が期待されています。
腎臓には糸球体(しきゅうたい)という身体の必要な物質・不要な物質をやり取りしている場所があります。
この糸球体にかかる負担を和らげる事で腎臓を守る働きがあると言われています。
テルミサルタンの心臓を守る作用について
腎臓病では交感神経が活性化したり、血圧が上がることで心臓に負担を与えます。
結果、腎臓病の患者さんでは心臓の病気になるリスクが数倍になります。
テルミサルタンは、この交感神経の活性化を抑えるなど様々なメカニズムを経て心臓を守る作用も効果を期待できます。
テルミサルタンの注意点
注意点① 腎機能が逆に悪化することがある
腎臓・心臓を守る良い薬ではあるのですが、使い方を間違えると腎機を障害する時があるので注意が必要です。
テルミサルタンは腎臓の糸球体にかかる過剰な負担を取り除くことで腎臓を守りますが、負担は少なければ少ないほどよいわけではなく、ある程度の負担が必要になります。
腎臓に流れる血液が少ない人にテルミサルタンを投与することで、必要以上に負担を取り除いてしまうことがあります。
具体的には、以下のような場合は、要注意です。
- 動脈硬化が強い
- 高齢者
- 夏場で脱水がある人
- ロキソニンやカルシウムの薬を飲んでいる など
注意点② カリウムが上がる時がある
腎臓病だと、カリウムという成分を尿から出なくなり身体にカリウムがたまってしまうことがあります。
カリウムが溜まりすぎると、突然死の原因となる不整脈の原因となることがあります。
このテルミサルタンを飲んでいるとカリウムが身体に溜まりやすくなるので注意が必要で、適宜採血を行って異常がないか評価します。
よくある質問
Q このくすりを飲んだら、クレアチニンが上がってしまいました。大丈夫ですか?
A テルミサルタンを飲むと一時的にクレアチニンが上がることがあります。
クレアチニン上昇の度合いによりますが、腎臓にかかる負担を減らすことで数値上クレアチニン上昇することもあります。(長期的には保護的に働く。)
ただし、クレアチニン上昇があまりにも大きい場合は腎血流が低下して腎機能障害が起きていることもあります。
医師の判断に従いましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
テルミサルタン(ARB)は、腎保護効果が期待できる画期的なお薬です。
しかし、すべての方に万能というわけではなく、病態などを踏まえたうえで、専門医とリスクとメリットをしっかり天秤にかけて投与することが重要です。
赤羽もりクリニックでは、腎臓専門医による綿密な診察と検査データの評価をもとに、テルミサルタンをはじめとする腎臓を守る薬の適応をご提案しています。
導入前後の血液検査・尿検査で安全面をしっかりフォローしながら、あなたの腎機能を最適に守るプランを立てていきましょう。
「自分にテルミサルタンは合っている?」「他の治療との組み合わせはどうする?」といったご不安やご質問は、ぜひお気軽にご相談ください。
もし当院の診療に興味がある方は以下の当院紹介ページをご覧になってくださいね。
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