アルブミン尿とは ~腎臓の障害を早期発見する尿検査~
こんにちは、透析予防のクリニック、赤羽もり内科・腎臓内科の院長の森 維久郎です。
最近話題の微量アルブミン尿検査について本日お話します。
当記事は当院の腎臓専門医の森医師、平野医師が監修しております。
アルブミン尿検査は糖尿病がある方のみ保険診療での検査を行うことができます。
【目次】
アルブミン尿とは
アルブミン尿は、腎臓のSOSの役割を担う尿検査の検査項目です。
腎臓は不要な物質を出し、必要な物質を出さないようにする役割があります。
通常であれば出るはずのない必要な物質が、尿で検出されることは何らかの異常が起きていることを示します。
アルブミンはタンパク質の一種で、腎臓の糸球体という箇所が痛むと早期から尿へ漏れ出てきて、アルブミン尿として検出されます。
アルブミン尿と尿蛋白の違い
アルブミン尿の他に腎臓のSOSの役割を担う尿検査として、尿蛋白があります。
尿蛋白と比較して、アルブミン尿は早期の障害、特に糖尿病による腎臓の病気の糖尿病性腎症の早期発見につながるとされています。
そのため、糖尿病で治療中の方は定期的にアルブミン尿を検査することが推奨されています。
アルブミン尿の重症度
糖尿病性腎症でアルブミン尿の量によって以下のように分類しています。
- 正常アルブミン尿 30 mg/gCr 以下
- 微量アルブミン尿 30-299 mg/gCr
- 顕性アルブミン尿 300 mg/gCr 以上
微量アルブミン尿の段階で治療を行うと比較的コントロールがしやすくなるのに比較して、顕性アルブミン尿になるとコントロールが難しくなると言われています。
つまり、アルブミン尿が300 mg/gCr以上になると糖尿病性腎症の治療が難しくなると考えてよいでしょう。
アルブミン尿が検出したら
尿検査でアルブミン尿が見られた場合は、腎臓に負担をかけている原因を洗い出し治療を行う必要があります。
腎臓に負担をかける原因として、以下のようなものがあります。
- 糖尿病
- 高血圧
- 肥満
- タバコ
- 免疫の病気
- 遺伝の病気 など
主な原因を特定した上で腎臓の負担をとる「RAS系阻害薬」、「SGLT2阻害薬」などを使用します。
特に「SGLT2阻害薬」は近年注目されている腎保護の薬であり、当院ではアルブミン尿が出ている患者さんには積極的に使用しています。
参考
アルブミン尿を測定するには
アルブミン尿は医療機関であれば測定は可能ですが、あまり有名でない検査でもあるので、もし測定をご希望の方は糖尿病内科や腎臓内科の医療機関を受診すると行ってもらえると思います。
ただし、保険診療(3割負担)で行うことができるのは糖尿病の患者さんのみです。
糖尿病以外の患者さんについては、自費診療で行うしかありません。
自費診療で行う場合は診察料などもすべて自費になるのでお気をつけください。
アルブミン尿の測定を希望される方へ
糖尿病で治療中でアルブミン尿が出ている場合、集学的な治療が必要になります。
検査をしたことがない場合は糖尿病内科や腎臓内科のクリニックの受診を検討されてください。
糖尿病以外の方では尿蛋白の定量検査である程度評価ができます。
当院ではアルブミン尿検査や、尿蛋白の定量検査を行っていますのでご希望の方は遠慮なくご相談ください。
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