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あずきと腎臓

[2025.06.20]

こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。

今回は「小豆」についてお話させていただきます。

あんこなどで親しまれている小豆ですが、実は健康にも関わる重要な栄養素が豊富に含まれています。特に腎臓に配慮が必要な方にとっては、食べ方にちょっとしたコツが必要なんです。

腎臓病をお持ちの方や、日々の食生活に気を配りたい方はぜひ最後までご覧ください。

(当記事は院長の森医師が監修しております。)

小豆について

小豆には、主に食物繊維やカリウム、ビタミンB1などが含まれています。

特に炭水化物が豊富で、糖質と食物繊維をあわせると、全体の約60%を占めます。小豆をゆでたもの50gだと、食物繊維は6.1g含まれています。

これは、食物繊維の1日の目標量を男性は約30%、女性は30~35%満たすことができる量です。

ただし、小豆はあんこにして食べることが多いため、食べ過ぎには注意が必要です。

小豆を購入する時は、濃い小豆色でツヤがあり、粒がそろっていて、種瘤(白い部分)の色がきれいなものを選びましょう。

栄養成分(100g)

成分 乾燥 ゆで つぶあん こしあん ゆで小豆缶
糖質(g) 34.8 13.5 48.3 54.9 45.8
脂質(g) 2.0 0.8 0.6 0.3 0.4
タンパク質(g) 20.8 8.6 5.6 5.6 4.4
リン(mg) 350 95 73 49 80
リン/タンパク質比 16.8 11.0 13.0 8.6 18.2
カリウム(mg) 1300 430 160 35 160
食塩相当量(g) 0 0 0.1 0 0.2
エネルギー(kcal) 304 122 239 255 202

日本食品標準成分表2020年(八訂)より

腎臓病患者さんの食べ方のポイント

小豆にはカリウムが多く含まれます。

ゆでこぼしてゆで汁を破棄し、カリウム摂取量を抑えましょう。

また、上記の栄養成分でもわかるように、つぶあんとこしあんではそれぞれ栄養成分が若干異なります。

たんぱく質の量はどちらも変わりなくやや多めですが、つぶあんは小豆の皮が含まれているため食物繊維がこしあんより多く、こしあんは皮が除かれているためカリウムやリンがつぶあんより少なくなっています。

腎臓病患者様は、こしあんを選ぶのがおすすめですが、ステージ3以上の腎臓病患者様は、食べる前に主治医に相談してみましょう。

腎臓病患者さんのおススメレシピ①

水ようかん

水ようかん
材料(2人前)

  • ゆで小豆缶…50g
  • 粉寒天…1g
  • 水…80mL

大まかな所要時間
15分(冷やす時間を除く)

手順

  1. 小鍋に水に粉寒天をいれて浸しておく。
  2. ゆで小豆缶を裏ごし器や目の細かいざるなどで裏ごしをする。(ない場合はそのままでも可)
  3. 中火にかけて加熱し、耐熱性のゴムベラなどでよくかき混ぜながら沸騰させ、そのまま1分程度加熱する。
  4. 火を止め、2のゆで小豆缶を加えてなめらかになるまで混ぜる。
  5. 粗熱が取れたら容器に流し込み、ラップをせずに冷蔵庫で1時間ほど冷やし固めて出来上がり。
【エネルギー:51kcal たんぱく質:1.1g カリウム:40mg リン:20mg リン/たんぱく比:18.2 食塩相当量:0.1g】
ひとくちメモ

たんぱく質を約1gに抑えたミニデザートです。
ゆで小豆缶は、市販のあんこより少量で使い切りやすいサイズなので、今回使用しました。裏ごしという少し手間のかかる作業が入りますが、皮が除かれるのでなめらかな食感になります。
自宅に余ったこしあんがある方も同じ手順で作れます。

腎臓病患者さんのおススメレシピ②

あずきとクリームチーズのアイス

あずきとクリームチーズのアイス
材料(2人前)

  • ゆで小豆缶…30g
  • クリームチーズ…ポーションタイプのもの1個(18g)
  • 牛乳…大さじ1と1/3

大まかな所要時間
15分(冷やす時間を除く)

手順

  1. ゴムべらなどでクリームチーズを柔らかくなるまでよく混ぜる。
  2. 1に牛乳を3回程度に分けて加える。この時、だまができないようによく混ぜ合わせる。
  3. 2にゆで小豆缶を加えてよく混ぜたら、製氷皿などの小さめの入れ物に入れ、冷凍庫で3時間程度冷やす。
  4. 皿に盛り付けて出来上がり。
【エネルギー:65kcal たんぱく質:1.3g カリウム:45mg リン:29mg リン/たんぱく比:22.3 食塩相当量:0.1g】
ひとくちメモ

材料3つを混ぜ合わせるだけの簡単ミニデザートです。
クリームチーズの濃厚な味が、ゆで小豆とよく合う1品です。冷凍庫から出してすぐは硬いので、常温に3~5分程度置いてから食べるのがおすすめです。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

この記事では、小豆の栄養や腎臓病患者さんに配慮した食べ方、さらには簡単に作れるおすすめレシピをご紹介しました。

小豆は健康的な食材ですが、腎機能に不安がある方にとっては「どう調理すればいいの?」「どれくらい食べて大丈夫?」など、心配や疑問がつきものです。

赤羽もりクリニックでは、腎臓病専門医と管理栄養士が連携し、患者様一人ひとりに合った具体的な食事アドバイスやメニュー提案を行っています。

「市販のあんこは食べて大丈夫?」「もっと自分に合ったレシピを知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

当院の診療にご興味がある方は、以下のクリニック紹介ページをご覧ください。

この記事を監修した医師
森 維久郎

赤羽もりクリニック院長、日本腎臓学会腎臓専門医。人工透析を減らす診療をコンセプトに年間1万人以上の外来診察を行う。 情報発信に力を入れており、合計4冊書籍を出版、YouTubeチャンネル「じんぞうの学校」を運営、チャンネル登録者3万人以上。 

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