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糖尿病でも安心!「食べていいもの」一覧~食事で体を整えるコツ~

[2025.07.03]

こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。

今日は「糖尿病の方が安心して食べられる食品」についてお話しします。糖尿病の食事というと「糖質制限」にばかり目が向きがちですが、実は食物繊維やたんぱく質の取り方ひとつで、血糖値のコントロールはずいぶん変わってきます。

「何を、どのように食べるか」で、体はもっとラクになります。無理なく続けられる食事のヒントをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

(当記事は院長の森医師が監修しております。)

糖尿病の方が食べてもいいものとは

糖尿病の食事では、「糖質量」ばかりに目が行きがちですが、食物繊維・良質なたんぱく質・ビタミンやミネラルをしっかり摂ることも重要です。

安心して食べられるたんぱく質

たんぱく質は、糖質と比べ消化・吸収に時間がかかり血糖値を上げにくい栄養素のひとつです。糖尿病の食事管理において非常に重要な役割を果たします。満腹感を得やすいため食べ過ぎ防止にも効果的です。

また、たんぱく質は筋肉の材料でもあります。筋肉量が維持されることで、基礎代謝が保たれインスリンの効きも良くなるとされており、血糖コントロールの観点からも非常に大切です。

特に加齢とともに筋肉は減少しやすくなるため、意識的に毎食たんぱく質を取り入れることが推奨されます。

プロテインパウダーは手軽にたんぱく質を補える便利な選択肢ですが、できるだけ食事から「噛んで摂取する」たんぱく質を優先しましょう。よく噛んで食べることで満腹感が得やすく、消化吸収のリズムも整います。

また、肉や魚、大豆製品にはたんぱく質だけでなく、ビタミンやミネラルなど体に必要な栄養素も豊富に含まれているため、総合的な健康維持につながります。

特にお勧めしたい食品は以下の通りです。

・鶏むね肉、豚ヒレ肉、牛もも肉などの脂質の少ない肉類
低脂質でヘルシーな食材です。調理時に揚げ物は避け、焼く・煮るなどの方法が良いでしょう。

・サバ、サケ、イワシなどの青魚
良質なたんぱく質に加え、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸が豊富で、動脈硬化予防にも役立ちます。
オメガ3脂肪酸は、体にとって必要なのに自分では作れない「必須脂肪酸」のひとつでインスリンの働きを助ける作用や、食後血糖の上昇を抑える効果が期待されております。

・卵
手軽にたんぱく質を補給できる食材です。1日1個程度であれば、コレステロールを過度に心配する必要はありません。

豆腐、納豆、おからなどの大豆製品
植物性たんぱく質の代表格で食物繊維やイソフラボンも含まれ、腸内環境やホルモンバランスの維持にも役立ちます。

野菜や海藻・芋類を上手にとろう

野菜は、血糖コントロールの頼れる味方です。特に、食物繊維を多く含む野菜は、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。

水溶性食物繊維が豊富な野菜・海藻・芋類

オクラ・モロヘイヤ・キャベツ・大根おろしなどは水溶性食物繊維が豊富で、血糖値の上昇を緩やかにしたり、腸内環境を整えたりする効果があります。海藻類のわかめ・めかぶも同じく食物繊維が豊富で、内臓脂肪の蓄積を防ぐサポートになります。

また、こんにゃくはほぼ糖質ゼロで満足感を増やすには便利な食材です。ただし、さつまいもなどの芋類は糖質が多いため、量には注意して取り入れましょう。

抗酸化作用のある緑黄色野菜

ブロッコリー、にんじん、ほうれん草、パプリカ、かぼちゃなどの緑黄色野菜には抗酸化作用があり、血管がダメージを受ける原因となる酸化ストレスを減らす働きがあります。ちなみに、酸化ストレスはインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」や慢性炎症の原因にもなるため、緑黄色野菜を積極的にとることは血糖コントロールの助けになります。

また、これらの野菜は加熱しても栄養が壊れにくいのが特長です。 ゆでたり蒸したりしても栄養がしっかり残るため、作り置きのおかずやスープなどに活用しやすく、毎日の食事に取り入れやすい点もメリットです。

低GI値でおすすめの野菜
トマト・なす・ピーマン・きゅうりはGI値※が低いことから血糖値の上昇が緩やかになるため、サラダや副菜に向いています。きのこ類は糖質がほとんどなく、食物繊維が豊富なので満足感をしっかり満たせる食材です。

※食品が血糖値を上昇させる速度を数値化したもの

以下、食物繊維や低GI値を意識した季節野菜を紹介します。

 

【春】春キャベツ、アスパラ、菜の花

【夏】モロヘイヤ、オクラ、トマト、きゅうり、ピーマン

【秋】ごぼう、れんこん、さつまいも、きのこ類

【冬】ブロッコリー、小松菜、ほうれん草、大根、白菜

 

ただし、さつまいもなどの糖質の多い根菜類の食べ過ぎは糖質過多になるため気を付けましょう。

ポイント
・ネバネバ野菜(モロヘイヤ、オクラ、海藻類)は水溶性食物繊維が豊富で、食後の血糖値の上昇を防ぎます。
・きのこ類・こんにゃく・キャベツは「満足感アップ」「糖質ゼロ食材」として積極的に取り入れましょう。

お菓子や間食でおすすめの食べ物

糖尿病だからといって、甘いものを一切禁止する必要はありません。むしろ、我慢のしすぎはストレスや反動での過食につながることもあります。

大切なのは、血糖値に影響しにくい「低GI」か「低糖質」の間食を、適量で上手に取り入れることです。

ナッツ類(無塩アーモンド、くるみなど)
良質な脂質や食物繊維が豊富で、血糖値の上昇を抑えながら満腹感も得やすい食品です。

無糖ヨーグルト+ベリー類
腸内環境を整える発酵食品であるヨーグルトに、低糖質のブルーベリーやラズベリーなどのベリー類を加えると、血糖への影響が少なく、ビタミン・抗酸化成分も一緒に摂れます。

・ 寒天ゼリー・高カカオチョコレート(カカオ70%以上)
寒天は食物繊維が非常に豊富で、糖質はほとんどゼロ。チョコレートを選ぶなら、カカオ含有量70%以上のビターチョコがおすすめです。

・ ゆで卵やチーズ
甘くはありませんが、たんぱく質と脂質で満足感を得られる優秀な間食です。糖質はほぼゼロなので、血糖値への影響を最小限に抑えつつ、空腹をしっかりカバーしてくれます。

参考記事:糖尿病の方におすすめのおやつを紹介!選び方と血糖コントロールのコツを医師が解説

主食は”質と組み合わせ”で変わる

糖尿病の食事管理では「主食=避けるべき」と誤解されることもありますが、実は選び方や食べ方によって、主食もうまく取り入れることができます。

白米や食パンなど精製された炭水化物は血糖値を急上昇させやすい「高GI食品」ですが、玄米・雑穀米・もち麦・全粒粉パンなどの未精製穀物は食物繊維が豊富で吸収が緩やかになります。血糖コントロールや満腹感の持続にも効果的です。

そこで、以下の工夫を取り入れてみましょう。

「精製された炭水化物」は量と頻度を意識

白米やパンを完全に避ける必要はありません。ただ、摂りすぎると血糖値が急上昇しやすくなるため、少し減らして雑穀米やもち麦を混ぜるだけでも効果的です。

パンを選ぶなら、全粒粉やライ麦パンにしましょう。

食物繊維と一緒に摂る

主食だけでなく、野菜やきのこ、海藻、豆類と組み合わせて食べることで、糖の吸収が緩やかになり、血糖値の上昇を抑えられます。

食べ方の工夫で血糖値を安定させよう

「何を食べるか」だけでなく、「どう食べるか」も血糖コントロールには大きく関係します。

主食・主菜・副菜を組み合わせてバランスよく

主食(ごはんなど)・主菜(たんぱく質)・副菜(野菜など)を摂ることで、血糖値の上昇を緩やかにし、栄養バランスのとれた食事になります。単品の食事(パン・おにぎりのみ)や、主食に偏った食事は血糖値の急上昇を招きやすいため、なるべく避けましょう。

記のイラストのように、ランチョンマットの上に「主食・主菜・副菜」を配置するイメージで1食を考えると、自然とバランスが整います

※医師と管理栄養士が教える腎臓病・糖尿病レシピの教科書より抜粋

食事の基本は「1日3食」、バランスよく!以下のポイントに気をつけましょう。

・主食:1食につき1品(ごはん、パン、麺など)
・主菜:1食につき1品(肉、魚、卵、大豆製品など)
・副菜:1〜3品(野菜、海藻、きのこなど)
・乳製品・果物:1日に1品ずつが目安

食べる順番も大事

血糖値を上げにくい食べ方のコツとして、「野菜→たんぱく質→炭水化物」の順番で食べるのがおすすめです。食物繊維が先に腸に届くことで、糖の吸収をおだやかにします。

食べ方のコツとして、野菜だけでお腹がいっぱいになってしまうという方は、必要な栄養素が摂りきれない場合があります。筋肉を維持しながら血糖コントロールしていくためには、先にたんぱく質を摂り、野菜の食物繊維で糖の吸収を抑え、最後に炭水化物を摂るようにしましょう。

よく噛んで、時間をかけて食べよう

よく噛むことで、消化・吸収が緩やかになり、血糖値の急上昇を防ぎます。また、満腹感を得やすくなり、食べすぎの予防にもつながります。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

当記事では、「糖尿病でも安心して食べられる食品」についてお伝えしました。糖質制限ばかりに目を向けるのではなく、食物繊維やたんぱく質を上手に取り入れることで、無理なく血糖コントロールを続けることができます。

ですが、「何をどれだけ食べたらいいの?」「食べる順番や組み合わせがよく分からない…」と、情報を集めれば集めるほど迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

赤羽もりクリニックでは、医師と管理栄養士がチームで、あなたの生活スタイルに合わせた具体的な食事のアドバイスと継続的なサポートを行っています。

「一人で考えるのはもう限界かも…」「今の食生活で本当に大丈夫?」という方は、ぜひ一度弊院へご相談ください。

以下のバナーをクリックいただき、ご連絡ください。お待ちしております。

参考文献
医師と管理栄養士が教える腎臓病・糖尿病レシピの教科書

この記事を監修した医師
森 維久郎

赤羽もりクリニック院長。糖尿病を予防して人工透析や脳・心臓の病気を減らすコンセプトに年間1万人以上の外来診察を行う。 情報発信に力を入れており、赤羽もりクリニックのWEBサイトには年間500万人の来訪。 

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