糖尿病で注意すべき食事〜ダメなものランキング5選〜
こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。
今回は「糖尿病で注意すべき食事〜ダメなものランキング5選〜」について解説していきます。
「食事に気をつけているはずなのに、なぜか血糖値が下がらない」「何を食べたら良くて、何を避けるべきかわからない」といったお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
当記事では、糖尿病の方が特に避けたほうがいい食品をランキング形式でご紹介します。意外な落とし穴もありますので、ぜひ最後までご覧ください。
(当記事は院長の森医師が監修しております。)
糖尿病の食事でダメなものランキング
1位:糖尿病で1番飲んではいけないものは清涼飲料水・加糖ジュース類
糖尿病で1番注意すべき食品は砂糖がたっぷり含まれたコーラ・サイダー・野菜ジュース・スポーツドリンク・濃縮還元ジュース・加糖コーヒーなどです。砂糖が液体に溶けた状態で含まれているため吸収が非常に速く、飲んだ直後から血糖値が急上昇しやすくなります。
特に空腹時に飲んだ場合は血糖値が急上昇しやすく、インスリンの分泌が間に合わず、結果として高血糖が続いたり、体が疲れやすくなる原因になります。また、「甘くないように感じた飲み物にも、果糖ぶどう糖液糖が含まれている」というケースも非常に多いため、栄養成分表示のチェックも欠かせません。
ちなみに、果糖ぶどう糖液糖とはトウモロコシのデンプンから作られた液体の糖分で血糖値は上げにくいものの、脂肪になりやすいのが特徴です。
のどが渇いたときは、水・お茶・炭酸水など無糖の飲み物を選び、甘い飲み物は頻度を減らしましょう。栄養成分表示の「果糖ぶどう糖液糖」「ぶどう糖液糖」を含まないものを選びましょう。
2位:カロリーの高い菓子パンやケーキ類
飲み物とあわせ糖尿病で1番食べてはいけないものは菓子パンやケーキです。特に市販のスイーツは糖質と脂質が同時に多く含まれています。血糖値だけでなく、体重・中性脂肪に影響を与えやすいため、「ちょっとだけなら…」が大きな負担になります。
そこで、甘いものを完全に禁止するより、GI値が低いものを取り入れる工夫が継続のカギになります。
GI値(グリセミック・インデックス)とは、食品に含まれる炭水化物が食後の血糖値をどれくらい上昇させるかを示す指標です。具体的には、「ぶどう糖50gを摂取したときの血糖値の上昇を100」とした場合に、その食品がどの程度血糖値を上げるかを数値で比較しています。
低GIのお菓子としては、ナッツや大豆を使ったお菓子、ゼリーなどが挙げられます。ただし、低GIのお菓子の中には、ナッツやチーズを使ったもののように、血糖値は上がりにくくても脂質が多めのものもあります。
「低GIだから安心」と思って食べすぎず、少量を楽しむことが大切です。食べるタイミングとしては、食後すぐに少量を意識して食べるようにし、無糖ヨーグルト+ブルーベリー+ナッツなど、血糖値が上がりにくい食べ方を工夫してみてください。
3位:糖質が濃縮されたドライフルーツ
一見、ヘルシーに見えるドライフルーツも、糖質が凝縮されているため糖尿病にとっては落とし穴になりがちです。干しぶどうやドライマンゴーなどは、100gあたり70g以上の糖質を含み、生の果物よりも血糖値への影響が大きくなります。
生のフルーツとドライフルーツの糖質量を比較した表を見ると、ドライフルーツの糖質量は生のフルーツの約5倍含まれていることが分かります。
さらに加糖されているものも多いため、栄養成分表示の確認が不可欠です。果物は生で、1日1回・少量にとどめることや甘みが欲しいときは冷凍バナナなどに置き換えましょう。
4位:加糖タイプのシリアル
甘く味付けされたシリアルやグラノーラには、砂糖や植物油が多く含まれていることが多く、血糖値の急上昇を招きやすい食品です。特にドライフルーツ入りやチョコレート味の製品は、見た目以上に糖質が多く含まれているケースもあります。
どうしても食べたい場合は、無糖・全粒タイプのミューズリーやオートミールを選び、ナッツや無糖ヨーグルトなどと組み合わせて食べましょう。
5位:インスタントラーメンなどの加工食品
インスタントラーメンやカップ麺は、精製された小麦と油、そして塩分が多く含まれており、糖質・脂質・ナトリウムの過剰摂取につながります。これらの食品は、血糖値の上昇だけでなく、腎臓や心血管系にも大きな負担をかけるため、できるだけ控えたほうがよい食品です。
腎臓は体の中の「汚れ」を尿として排出する重要な働きを担っています。しかし、塩分を多く摂ると、その処理のために腎臓が過剰に働かなくてはならず、結果として腎機能が低下し、最悪の場合壊れてしまうことも。
また、心血管系にも影響があります。塩分をとりすぎると、体内の塩分濃度を薄めようとして体は水をため込むようになります。その結果、血液量が増えて血管にかかる圧力(=血圧)が高くなり、高血圧を引き起こします。
高血圧の状態が続くと、心臓は強い力で血液を送り出し続けなければならず、次第に疲弊していくことになります。このように、インスタントラーメンやカップ麺は手軽ではありますが、健康へのリスクを考えると、常食するのは避けた方が賢明です。
工夫次第でOK?糖尿病で気を付けたい食べ物
ここまで、「糖尿病で注意すべき食事〜ダメなものランキング5選〜」をご紹介してきました。記事内でも触れてきたように、無理のない血糖コントロールを続けるためには、食べ方や量、組み合わせを工夫することが大切です。
ここからは、「注意は必要だけれど、工夫次第で摂り入れられる食品」について見ていきましょう。
まずは、多くの方が毎日のように口にしている「ごはん」や「パン」などの主食からご紹介します。
白米やパンなどの炭水化物は要注意
白米や食パン、うどんなどの精製された炭水化物は、糖質の吸収が速く、食後の血糖値が急激に上がりやすい特徴があります。これは、食物繊維がほとんど取り除かれているためです。
一方で、玄米や全粒粉パンのような未精製の炭水化物は、食物繊維が豊富で、糖の吸収が緩やかになるため、血糖値の上昇も穏やかになります。もちろん、白米や食パンを食べていけないわけではありません。
以下のような工夫を取り入れ、血糖の上昇を緩やかにしましょう。
・玄米や雑穀米、もち麦を取り入れ白米を少し減らす
・パンを選ぶなら、全粒粉やライ麦パンにする
・主食は単独で食べるのではなく野菜やたんぱく質と一緒に食べる
極端な糖質制限は長続きしません。そのため質の良い炭水化物を選ぶことがポイントになります。
揚げ物は高脂質・高カロリーで悪影響
唐揚げ・とんかつ・コロッケなどの揚げ物は、衣の糖質と油によるカロリーが高くなり、血糖値にも脂質にも影響します。また、調理に使う油の質や量が、中性脂肪の増加につながり、体脂肪量が増えることによりインスリンの効きが悪くなるので気を付けましょう。
調理法を「焼く」「蒸す」「煮る」に変えるだけでも、体への負担は大きく減ります。また、フライをする場合も、衣を薄くし、油の量を減らす工夫が大切です。
手軽に食べられるファストフードも要注意
ハンバーガー、フライドポテト、チキンナゲットなどのファストフードは、外出先や忙しい時に便利な食事ですが、糖尿病の方にとっては注意が必要です。これらの食品は、高糖質・高脂質・高カロリーの三拍子が揃っており、血糖値を急激に上昇させるだけでなく、インスリンの働きを悪化させる要因にもなります。
継続的に摂取することで、動脈硬化や脂質異常症のリスクも高めてしまいます。また、セットメニューに含まれる甘いドリンクやポテトも、糖質過多の原因になります。
どうしてもファストフードを利用する場合は、単品で選び、ポテトの代わりにサラダや無糖ドリンクのものを選ぶなどの工夫が必要です。
糖質を多く含むアルコール類は血糖コントロールを乱す
ビール、日本酒、甘いカクテルなどは多くの糖分が含まれており、飲むと血糖値が急に上がりやすくなります。「お酒だけで済ませる」といった飲み方は、空腹状態で血糖値が乱れやすいです。
アルコールを飲むと、肝臓はアルコールの分解を優先して糖を作るのをやめてしまい、糖の供給が止まり低血糖を起こすリスクもあるため注意の必要があります。
アルコールを飲む場合は、糖質の少ない蒸留酒(焼酎、ウイスキーなど)を食事と一緒に摂るようにし、飲む頻度・量を減らし、低アルコール製品を選ぶようにしましょう。
調味料のかけすぎが落とし穴
ケチャップ、ウスターソース、市販のドレッシングなどは、見た目は少量でも、意外と多くの糖質や脂質を含んでいることがあります。例えばケチャップ大さじ1杯には4.3gの糖質、ウスターソース大さじ1杯には4.9gの糖質が含まれ、ドレッシングには油分や甘味料が加えられていることがほとんどです。
そのため、「健康のためにサラダを食べているつもり」が、実はドレッシングのせいで血糖値を上げてしまっているケースもみられます。ヘルシーな食事に見えても、調味料の使い方次第で逆効果になることがあります。
栄養成分表示を確認する習慣をも持ち、使う量を最小限に抑えることが大切です。糖質・脂質を控えるためには、レモン汁や酢、しょうゆ、オリーブオイルなどを活用したシンプルな手作りドレッシングがおすすめです。
特に、ノンオイルかつ無糖タイプの調味料を選ぶことで、味を楽しみながら血糖コントロールにも配慮できます。
あめ玉、キャンディーの食べ過ぎは要注意
ついつい食べ過ぎてしまうあめ玉やキャンディーは、少量でも高糖質です。間食として頻繁に摂取すると、血糖値が急上昇しやすくなり、血糖コントロールを乱す原因になります。
口さみしいときには、ノンシュガーのガムや適量のナッツなどに置き換えるとよいでしょう。
糖尿病の食事ではどう食べるかが大事
糖尿病の食事では、避けるべき食品を知ることに加えて、"どう食べるか"がとても大切です。例えば、早食いや空腹時のドカ食いは血糖値の急上昇につながります。よく噛んでゆっくり食べることで満腹中枢を刺激し、腹八分目を心がけることをしましょう。
また食事は朝・昼・夜の等間隔とし、食物繊維を先に摂る(ベジファースト)ことを意識することで糖尿病の悪化や合併症のリスクを減らし予防にもつながります。無理なく、継続しやすい方法で血糖コントロールをし、糖尿病予防にもつなげていきましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
当記事では、糖尿病で注意すべき食事や避けたい食品について、具体例を交えてランキング形式でご紹介しました。正しい情報を知ることは、血糖コントロールの第一歩です。
ただ、実際には「頭ではわかっていても、日々の生活の中でどう実践すればいいのかわからない」「何をどれだけ食べたら良いのか不安」と感じる方も少なくありません。そんなときは、無理をせず、私たちにご相談ください。
赤羽もりクリニックでは、医師と管理栄養士がチームとなって、あなたの体調やライフスタイルに合わせた無理のない食事療法をご提案しています。
「血糖値がなかなか下がらない」「続けられる食事法を知りたい」という方は、一緒に、健康的な食生活を考えていきましょう。
当院の診療にご興味がある方は、下記リンクから詳細をご覧いただけます。
参考文献
※日本食品標準成分表 八訂
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