腎臓病の食事レシピ!夕食編〜管理栄養士が考える無理なく続けられる腎臓病食の工夫〜
こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。
今日は弊院の管理栄養士による監修のもと、「腎臓病の夕食レシピ」についてお話をします。腎臓病の食事制限と聞くと、「美味しくない」「続けにくい」といったイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし、工夫次第で無理なく、美味しく続けられる食事は実現できます。「何を食べればいいのか分からない」「夕食作りに困っている」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
腎臓病の患者さんが食事で気をつけること
「食べてはいけないもの」を制限するだけではなく、体に必要な栄養をしっかりと摂りながら、腎臓への負担を少なくすることが大切です。
腎臓病の食事では「タンパク質・カリウム・リン・塩分」の量を調整することが大切です。タンパク質は体に必要ですが、摂りすぎると腎臓に負担がかかるため、必要量を守ることが基本です。
また、カリウムやリンは野菜・果物・乳製品などに多く含まれ、溜まりすぎると心臓や骨に悪影響を及ぼすことがあります。塩分の摂りすぎも血圧上昇やむくみの原因になるため注意が必要です。
ただし、腎臓病だからといってすべての方が制限するわけではありません。自己流で極端に制限すると栄養不足や食欲低下を招くこともあるため、血液検査の結果や専門医の指導に基づいて、正しい食事を続けていきましょう。
夕食におけるの食事管理のポイント
夕食は一日の終わりに摂る食事であり、翌日の体調にも影響します。主食を1品、主菜を1品、副菜を2品を守る基本の食事バランスが重要です。
また、夕食で主食を抜いたり極端に減らしたりする方もいますが、その場合は主食・主菜・副菜のバランスが崩れてしまいます。もし食事の量を控えるのであれば、主食だけを減らすのではなく、全体の量を少しずつ減らすことで、栄養のバランスを保つことが大切です。
さらに、夕食の時間帯にも注意しましょう。寝る直前に重たい食事をすると消化に負担がかかるため、就寝の2〜3時間前までに済ませるのが望ましいです。
そして、夕食だけに偏らず、一日の栄養バランス全体を見ながら調整していくようにしましょう。主食・主菜・副菜のバランスについては以下のリンクより確認してください。
参考記事:チョコレートはダメ?慢性腎臓病で食べてはいけないものなのか
管理栄養士がすすめる夕食レシピ
腎臓の健康を守るには、無理なく続けられる「おいしい食事」が欠かせません。ここでは、管理栄養士が考案した腎臓病の方にも安心して取り入れられる主菜と副菜のレシピを紹介します。
美味しい主菜レシピ
和風からあげ おかか風味
からあげは腎臓病の方にとって塩分や脂質が気になる料理ですが、おかか風味に仕上げることで削り節の旨味を活かし、少ない調味料でも満足できる味わいにしています。
※赤羽もりクリニック監修 医師と管理栄養士が教える腎臓病・糖尿病レシピの教科書より抜粋
生鮭のホイル蒸し(ごま酢ソース)
鮭と野菜をホイルで包んで蒸し焼きにした、シンプルながら栄養バランスの良いレシピです。ごま酢ソースをかけることで、減塩でも風味豊かに仕上がります。
※赤羽もりクリニック監修 医師と管理栄養士が教える腎臓病・糖尿病レシピの教科書より抜粋
麻婆豆腐
人気の中華メニューも、調理法を工夫すれば腎臓病食にアレンジ可能です。麻婆豆腐は控えめの調味料と豆腐・ひき肉のバランスで、塩分や脂質を抑えつつ食べ応えのある仕上がりになっています。
※赤羽もりクリニック監修 医師と管理栄養士が教える腎臓病・糖尿病レシピの教科書より抜粋
簡単に作れる副菜レシピ
ホウレンソウの磯辺和え
のりと削り節の風味が効いた、ダブルの旨味で楽しむ一品です。
※赤羽もりクリニック監修 腎臓病でも楽しめるラーメン・パスタ・うどんより抜粋
ハクサイとミズナのユズコショウ和え
ユズコショウの爽やかな辛みがアクセントになったさっぱり副菜です。
※赤羽もりクリニック監修 腎臓病でも楽しめるラーメン・パスタ・うどんより抜粋
ニンジンのレモンマリネ
細切りにしたニンジンにレモンの酸味が染み込み、さっぱりいただける常備菜。
※赤羽もりクリニック監修 腎臓病でも楽しめるラーメン・パスタ・うどんより抜粋
減塩でも美味しく食べる工夫
腎臓病の食事療法では塩分を控えることが欠かせませんが、「薄味=美味しくない」と感じてしまう方も少なくありません。そこで役立つのが、薬味やスパイスを上手に使う工夫です。
例えば、しょうが・ねぎ・しそ・みょうがなどの薬味は、香りや風味を加えることで少ない塩分でも満足感を得やすくなります。また、胡椒やカレー粉、山椒などのスパイスを取り入れると、食欲を引き出しながら味に変化をつけられます。
さらに、レモンや酢などの酸味を加えると、塩分を減らしてもさっぱりとした味わいを楽しめるでしょう。このように、調味料に頼らず「香り・酸味・辛味」を活かすことで、減塩でも美味しく、日々の食事に取り入れられます。
野菜の分量について
野菜は1食あたり100〜120gが目安とされています。主菜の付け合わせや副菜でバランスを取りながら、1日合計350g程度を目安に摂取すると良いでしょう。
ただし、医師からカリウム制限について指示がある場合は、野菜の量や種類に注意が必要です。
血液検査と尿検査で今の腎臓の様子をチェック
腎臓病の進行度や現在の状態を知るためには、定期的な血液検査が欠かせません。特に「クレアチニン(Cre)」や「eGFR(推算糸球体濾過量)」の数値は、腎臓がどのくらい老廃物を排泄できているかを示す重要な指標です。
また、「尿素窒素(BUN)」や「カリウム・リン・ナトリウム」などの電解質の数値も、食事療法や薬の調整に役立ちます。血液検査の結果は一度だけで判断するのではなく、定期的に測定して変化を追うことが大切です。
一方、尿検査では「尿たんぱく」や「尿潜血」などを調べることで、腎臓のフィルター機能に異常がないかを確認できます。特に尿たんぱくは、腎臓病の進行度や治療効果を判断する重要な指標です。
これらの検査は一度きりではなく、定期的に行って数値の変化を追うことが大切です。少しでも腎機能の低下が見られる場合は、食事や生活習慣を見直すきっかけになります。
参考記事:クレアチニンの正常値とは?同時に腎機能やeGFRを検査で正しく理解しよう
さいごに
いかがでしたでしょうか?
当記事では、腎臓病の方向けに、夕食に取り入れやすい基本の食事バランスと具体的なレシピをご紹介しました。腎臓病の食事管理は、ただ制限するだけではなく、体に必要な栄養をしっかりと摂りながら、負担を減らす工夫が大切です。
今回ご紹介したような主食・主菜・副菜のバランスや、薬味・スパイスを活用した工夫を取り入れることで、無理なく美味しく減塩を続けていきましょう。
赤羽もりクリニックでは、医師と管理栄養士があなたのライフスタイルや検査データに合わせた具体的な食事プランをご提案しています。「何をどれくらい食べればいいの分からない」「自己流の食事制限に不安がある」という方、慢性腎臓病が心配な方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご連絡ください。
参考文献:赤羽もりクリニック監修 腎臓病でも楽しめるラーメン・パスタ・うどん
赤羽もりクリニック監修 医師と管理栄養士が教える腎臓病・糖尿病レシピの教科書
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