クレアチニンを下げる食べ物はある?腎臓を守る効果的な食事療法とは
こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。
今日は「クレアチニンを下げる食べ物はあるのか?」というテーマでお話しさせていただきます。「健康診断でクレアチニン値が高いと言われた」「腎臓の負担を減らしたい」と感じている方にとって、食事の見直しはとても重要なステップです。
特定の食べ物でクレアチニンを直接下げるのは難しいですが、日々の食事を工夫することで、腎臓の機能を守ることは可能です。ぜひ最後までご覧いただき、日常生活に役立てていただければと思います。
クレアチニンを下げる食べ物はあるの?
一番最初にお伝えしたいのは、「特定の食べ物でクレアチニンを直接下げる」ことは難しいという点です。ただし、腎臓の負担を減らし、クレアチニン値の上昇や進行予防につなげることは可能です。
クレアチニンは、筋肉の代謝によって生じる老廃物の一種です。健康な腎臓であれば尿と一緒に排泄されますが、腎機能が低下すると体内にたまりやすくなり、血液検査で「クレアチニン値が高い」と指摘されることがあります。
腎臓を守るための食事療法
タンパク質
肉や魚、大豆などに含まれるタンパク質は、体を作る筋肉を維持するのに大切な栄養源になります。腎臓に負担がかかりすぎないようにするためには適正なタンパク質量を摂ることが大切です。
タンパク質は大豆製品・卵・肉・魚などさまざまな食品から摂りましょう。しかし、摂りすぎると腎臓に大きな負担となることもあるため、医師や管理栄養士の指導のもと、必要量を守ることが大切です。
カリウム
カリウムそのものが腎臓を悪くするわけではありません。カリウムは本来、体にとって重要な栄養素であり、血液検査でのカリウムの値が安定している場合は、制限せずむしろしっかり摂りたい栄養素です。
ただし、腎機能が低下すると余分なカリウムが尿としてうまく排泄されず、「高カリウム血症」という状態になるリスクが高まります。カリウムは、低ければ低いほど良いわけではないため、制限が必要かどうかを慎重に判断する必要があります。
高カリウム血症は、不整脈や心停止など、命に関わる合併症を引き起こすこともあるため、注意が必要です。病院でカリウム制限を指導されている方は、バナナ、アボカド、芋類などのカリウムを多く含む食品は「控えるべき食品」の一つとして扱われることがあります。
※参考記事:納豆は本当にダメ?慢性腎臓病における大豆製品とカリウムの摂り方を医師が解説
クレアチニンとあわせてeGFRにも注意を
腎臓の機能を見る場合、クレアチニン値で見られがちですが、筋肉の量や年齢、性別によっても変わってしまうため、数値だけでは正確に腎機能を見ることができません。そこで「eGFR」という値があります。
※参考記事:クレアチニンの正常値とは?同時に腎機能やeGFRを検査で正しく理解しよう
eGFRとは何を示す数値なのか
eGFR(推算糸球体濾過量)は、腎臓が血液をろ過する力を数値化したものです。健康な人の腎臓を「100点満点」としたときに、現在の腎臓が何点かを示すイメージです。
この数値は、血液中のクレアチニン値をもとに、年齢や性別などを組み合わせた特別な計算式で算出されます。そのため、腎機能の評価には、eGFRが用いられます。
eGFRが 60 mL/分/1.73m²未満 になると、慢性腎臓病の可能性があると考えられます。この場合には、継続的な経過観察や治療が必要となることがあります。
eGFRが低下するとどうなる?
eGFRの数値が低下すると、腎臓の機能が落ちている可能性がありますが、eGFRは筋肉量や水分量の影響を受けることがあるので、数値が上がったり下がったりすることがあります。一度の結果にとらわれず、数値が上下しながらも全体として維持ができているかどうかを見ていくことが大切です。
健康的な食生活で腎臓を守る
毎日の食事で意識すべきポイント
・塩分を控えめにして血圧の上昇を防ぐ
塩分過多になると体内の塩分濃度が高まり、それを排泄するために腎臓に過剰な負担がかかります。また、高血圧が続いても腎臓への負担が大きくなるので腎臓を守っていくためには塩分は3g以上6g未満を目指しましょう。
・適切なエネルギーを確保し、栄養バランスを保つ
腎臓の健康を守るためには、1日3食を適切な時間に摂り、主食・主菜・副菜のバランスを意識した食事が基本です。さらに、無理のない範囲で体を動かすことも大切です。
運動習慣を持つことで筋肉量を維持・増加させることができ、基礎代謝や体力の向上につながります。eGFRの数値は筋肉量の影響を受けるため、筋肉を保つことは腎臓の評価にも関わる重要なポイントです。
また、健康状態を確認する際には体重だけでなく、筋肉量と体脂肪率の両方に注目することが大切です。筋肉量がしっかりあるかどうかは体力や腎臓の評価につながり、体脂肪率は生活習慣病のリスクを判断する目安になります。
・加工食品やインスタント食品は控える
加工食品やインスタント食品は塩分やリンの過剰摂取につながったり、脂質の多い食品があるため注意が必要です。
・医師や管理栄養士と相談しながら食事を調整する
腎臓の機能は個人差がありますので、しっかり数値を確認したうえで食事制限が必要なのかを相談しましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
当記事では、クレアチニン値や腎臓を守るための食事療法についてお話ししました。
クレアチニンを直接下げる食べ物はありませんが、タンパク質や塩分の摂り方を工夫することで腎臓への負担を増やさないようにすることが大切です。ただし、腎臓の状態や生活習慣は人それぞれ異なるため、自己判断で制限するのではなく、医師や管理栄養士と一緒に調整していきましょう。
赤羽もりクリニックでは、医師と管理栄養士が協力し、患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせた食事指導を行っています。「クレアチニン値が高いと言われた」「食生活をどう見直せば良いか分からない」といったお悩みがある方は、マンツーマンで具体的に日常の食事を見直せます。
そして、慢性腎臓病が心配な方や生活習慣に不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご相談ください。
参考文献:赤羽もり内科・腎臓内科著 管理栄養士にも役立つ赤羽もり内科・腎臓内科式腎臓病のレシピの教科書
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