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微小変化型ネフローゼとは?症状・検査・治療を腎臓専門医が解説

[2025.06.03]

こんにちは、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。

今日は腎臓の病気の中でも比較的若い患者さんに起きる「微小変化型ネフローゼ」について触れたいと思います。

*当記事は赤羽もりクリニックの院長の森医師が監修しています。

微小変化型ネフローゼとは?

微小変化型ネフローゼは、糸球体と呼ばれる腎臓のフィルターに異常が起きて、尿にタンパクが大量に漏れる病気です。

重症のときは、大きな病院で専門的な治療を必要とする病気です。

原因は不明の難病で、幼少期〜成人の若い方によく起きる病気です。

適切に治療することで、糸球体に起きる異常を抑え込むことが可能です。

一方で、約50%ほど再発するため、付き合いが長く、苦労が多い病気です。

 

微小変化型ネフローゼの症状

症状としては、以下のようなものがあります。

  • 浮腫
  • 急激な体重増加(例:1週間で3kg増える)
  • 下痢
  • 尿の泡立ち
  • 重症→呼吸苦、無尿 など

ネフローゼという状態は、死に至る可能性があるので、大きな病院で専門的な治療を必要があります。

 

微小変化型ネフローゼの検査

問診

まずは問診で以下のようなことを聞きます。

  • 何日前、何週間前から症状がでているか
  • 他にどのような病気になっているか
  • 家族に腎臓が悪い患者さんがいるか

採血・採尿・画像検査

採血検査で「血液中のタンパクが減っているか」、採尿検査で「尿にタンパク出ているか」を中心に調べます。加えて画像検査も行います。

  • 採血:総蛋白、アルブミン、HbA1c、免疫グロブリン、補体など
  • 採尿:尿タンパク、尿潜血、尿中NAG・β2ミクログロブリンなど
  • 画像検査:エコーで腎臓の形やサイズを確認する など

腎生検

問診、採血、採尿、画像検査を行った上で必要であれば、腎生検(じんせいけん)という検査をします。

腎生検とは、腎臓の組織をとってきて顕微鏡で評価する方法で診断します。

腎臓の細胞レベルの変化がわかるので、診断をつけるという意味で一番良い検査です。

 

微小変化型ネフローゼの治療

微小変化型ネフローゼで行う治療は主に以下の2つです。

  • 免疫抑制療法
  • 保存的加療

免疫抑制療法

全身の免疫を抑え込む治療で、腎臓で起きている過剰な免疫を抑え込むことで治療します。

●ステロイド療法

ステロイド療法は免疫抑制療法で一般的に行う治療です。

ステロイド療法は治療の効果としては優れていますが、副作用との戦いであり、適宜副作用の予防・治療を行います。

●その他の免疫抑制療法

ステロイドのみでコントロールがつかない場合は、もう1種類免疫を抑える薬を追加します。

よく使用されるくすりは以下のようなものです。

  • シクロクロスポリン
  • リツキシマブ など

近年、リツキシマブが注目を集めており、よく使われるようになりました。

 

保存的加療

免疫を抑えるくすりの治療以外に、以下のようなものを行います。

  • RAS系阻害薬の使用
  • 塩分を控えた食事 など

 

微小変化型ネフローゼの注意点

微小変化型ネフローゼで治療している患者さんの注意点は以下のようなものです。

  • 再発時には早く医療機関にかかる
  • 定期的に自分で尿検査をする
  • 風邪をひいたときには注意する

微小変化型ネフローゼは、急激に再発するので外来の診察と診察の間に何かが起きることがあります。

自分で注意すべき点を把握し、対応方法を考えておくと良いでしょう。

 

さいごに

微小変化型ネフローゼは適切な治療を行うことで寛解を得られる病気ですが、再発リスクが高く、気づかないうちに悪化してしまうことがあります。

当院では、腎生検や免疫抑制療法は行っておりませんが、高度タンパク尿が検出された際の対応や免疫抑制療法終了後のフォローアップなどは行っております。

「最近むくみがひどい」「尿に泡立ちがある」「急に体重が増えた」など、少しでも気になる症状があれば、ぜひ早めにご相談ください。

初診では採血・採尿結果や画像検査を詳しく確認し、必要に応じて腎生検のご相談も承ります。

診断・治療後の再発の早期発見なども対応可能です。

もし当院に診療にご興味がある方は以下の当院紹介もご覧になってくださいね。

この記事を監修した医師
森 維久郎

赤羽もりクリニック院長、日本腎臓学会腎臓専門医。人工透析を減らす診療をコンセプトに年間1万人以上の外来診察を行う。 情報発信に力を入れており、合計4冊書籍を出版、YouTubeチャンネル「じんぞうの学校」を運営、チャンネル登録者3万人以上。 

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