クレアチニンとeGFRとは?腎機能をチェックする重要な指標を確認しよう
※当記事は森 維久郎院長が監修しています。
こんにちは、赤羽もりクリニックです。
健康診断の結果を見て、
「eGFRが低いと言われたけど、どういう意味だろう…」
「腎臓の数値って、何を基準に見ればいいの?」
と戸惑ったことはありませんか?
腎機能に関する数値は、普段の体調ではなかなか気づきにくいだけに、「このまま放っておいて大丈夫?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
今回のテーマは、腎臓の健康状態を判断するうえで非常に重要な「クレアチニン」と「eGFR」についてです。これらの数値は、腎機能がどのくらい保たれているのか、また将来的に腎臓病のリスクがあるのかを読み解くヒントになります。
数値の見方を理解することで、ご自身の身体の状態を正しく知り、早めの対策につなげましょう。
腎臓の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。
クレアチニンとeGFRとは
クレアチニンは、筋肉の代謝によって生じる老廃物の一種です。腎臓はこのクレアチニンを血液中からろ過し、尿中に排泄しています。
一方、eGFRは健康な人の腎臓を100点満点としたときにあなたの腎臓が現在何点かを示す値です。腎臓の現状を把握するための非常に重要な数値です。
ここでeGFRの仕組みを説明すると、腎臓には「糸球体(しきゅうたい)」と呼ばれる血液をろ過するフィルターがあります。この糸球体が血液をろ過する量が「GFR(糸球体ろ過量)」です。
eGFRのeはEstimate(推定)を意味しており、eGFRはGFRの「推定の算出値」で、クレアチニン値などを使って、現在における血液のろ過能力を数字で簡便に評価できる指標となっています。
参考記事:クレアチニンを下げるには?腎機能と数値の関係を正しく理解しよう
クレアチニンが高いとeGFRが低くなるのはなぜ?
腎臓のろ過機能が低下すると、血液中のクレアチニンを十分に排泄できなくなるため、血中クレアチニン値が上昇します。eGFRは、この血清クレアチニン値をもとに特別な計算式で算出されるため、クレアチニンが高くなるほどeGFRは低く計算されます。
クレアチニンとeGFRの正常値
クレアチニンや eGFR は、腎機能の状態を判断するための重要な指標です。ここでは、一般的な基準値についてご紹介します。
- クレアチニン値
男性:0.61~1.04 mg/dL
女性:0.47~0.79 mg/dL
- eGFR値
60 mL/min/1.73㎡以上が正常範囲とされています。
eGFRが60未満になると、慢性腎臓病(CKD)の可能性があるとされ、数値が低いほど腎機能が低下を示します。ただし、eGFRはあくまで推算値であり、一時的な脱水や発熱などでも変動するため、継続的な測定が重要です。
参考記事:クレアチニンの基準値は年齢別に異なる?〜eGFRとの関係を解説〜
男女で差はあるのか
クレアチニンは筋肉量に比例してつくられるため、一般的に筋肉量の多い男性のほうが女性よりも高い値を示します。そのため、eGFRを計算する際には、クレアチニンの値だけでなく性別や年齢などの要素を考慮して、より正確に腎機能を推定できるように計算されています。
年齢別でも差はある
腎機能の指標であるeGFR(推算糸球体ろ過量)は、加齢とともに低下していく傾向があります。高齢の方でeGFRが基準値の下限に近くても、その方の健康状態や筋肉量(クレアチニン値に影響)によっては、特に問題がないと評価されるケースもあります。
腎機能の重要なチェックポイント
検査での注意点
クレアチニン値は、筋肉量や水分状態に影響されます。たとえば、脱水状態では血液が濃縮され、クレアチニンが一時的に上昇することがあるため、検査前は適度な水分補給を心がけましょう。
なお、筋肉量が多い方などで数値が正確に反映されにくい場合の対策については、後ほど「シスタチンC」の項目で詳しく解説します。
「腎臓の今」を表すeGFRの推移に注目しよう
eGFRは現在の腎機能を示す指標ですが、一度の検査結果だけで一喜一憂する必要はありません。大切なのは、過去の数値と比べて「どのくらいのスピードで変化しているか」を確認することです。
もし急激に数値が下がっている場合は、生活習慣の乱れや、何らかの疾患が隠れているサインかもしれません。定期的な検査で、自分なりの「基準値」を知っておくことが大切です。
腎臓の未来は〇〇で見る
腎臓の「未来」を判断するうえで重要なのが尿たんぱくです。尿たんぱくは、腎臓のフィルターに負担がかかると異常として現れやすく、「腎臓からのSOS」とも呼ばれています。
eGFRが正常でも、尿たんぱくが陽性なら将来的な腎機能低下のリスクが高まるとされています。
そのため、腎臓を守るためには “今” をeGFRで、“未来” を尿たんぱくでチェックすることが重要です。
シスタチンCで見られる腎臓の様子
腎機能を評価するためには、一般的に「クレアチニン」という血液検査の項目が使われます。クレアチニン値に異常が見られた場合、より正確な腎機能を調べるために「シスタチンC」という検査を行うことがあります。
シスタチンCは、クレアチニンよりも筋肉量や食事の影響を受けにくく、より正確に腎機能を反映するとされていますが、甲状腺機能の異常などがあると数値に影響することも。
シスタチンCの目安は0.7〜0.9mg/L程度ですが、この値そのものよりも、シスタチンCを用いて計算する「eGFR-cys」という指標で腎機能を評価します。
eGFRが低下する原因とポイント
ここでは、eGFRを低下させる主な原因と、腎機能を守るために知っておきたいポイントをまとめます。
高血圧:血圧が高い状態が続くと、腎臓の血管が硬く・狭くなり、血流が悪化。そのため高血圧が続くと腎臓がダメージを受け、腎機能低下につながります。血圧の上昇を防ぐため、塩分の過剰摂取に気を付けましょう。塩分が多くなると体内の塩分濃度が高まり、それを排泄するために腎臓に過剰な負担がかかります。腎臓を守っていくためには一日の塩分摂取量3g以上6g未満を目指しましょう。
糖尿病:血糖値が高い状態が続くと、腎臓の糸球体に過剰な負担がかかる状態に。この結果、糸球体の毛細血管がダメージを受けて、尿たんぱくが出たり、ろ過機能が低下します。
脂質異常症:脂質異常症は動脈硬化を進め、腎臓の血管にもダメージを与えます。お菓子類には動脈硬化の原因となる飽和脂肪酸が多く含まれ、中性脂肪やLDLコレステロール(悪玉)を増加させることも。
動脈硬化により、血管が硬くなることで腎臓への血流が悪くなり、血液をろ過する糸球体も硬くなります。さらに脂質異常症は高血圧や糖尿病とも関連しており、生活習慣病が重なって進行するリスクも。
動脈硬化が腎臓に起こると血流がさらに減り、老廃物をろ過する力も弱まるため、血流不足と高血圧の悪循環に陥り、腎機能がじわじわと低下していきます。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は腎機能をチェックするための重要な指標である「クレアチニン」と「eGFR」について詳しく解説しました。これらの数値は腎臓の健康状態を把握するうえで欠かせない情報です。
eGFRが低下する背景には、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病が深く関わっており、日頃の生活習慣の見直しがとても大切になってきます。
「クレアチニンやeGFRの数値が気になる」
「尿たんぱくを検査したい」
「健診で指摘を受けた方」
など、腎臓の状態が気になる方は早めに専門家に相談することが腎機能を守る第一歩です。
赤羽もりクリニックでは、医師と管理栄養士が連携し、あなたの腎機能を守るための生活習慣改善をサポートしています。慢性腎臓病が心配な方や、生活習慣について不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に以下のバナーよりご連絡ください。
参考文献:赤羽もりクリニック監修 医師と管理栄養士が教える腎臓病・糖尿病レシピの教科書
医療情報科学研究所編 病気がみえる 腎・泌尿器
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