糖尿病の代表的な原因と予防方法について解説
こんにちは、赤羽もり内科・腎臓内科です。
今回は糖尿病の原因について書きたいと思います。
*当記事は、当院の森医師(院長)と嶋崎医師(糖尿病専門医)が監修しております。
本題に入る前に
糖尿病は、血糖が高い状態が持続する病気です。
炭水化物や糖質は消化されるとブドウ糖(グルコース)となり、血液中を流れて主なエネルギーとして細胞に吸収されます。血液を流れるブドウ糖を血糖といいます。
通常は血糖を下げる働きをするインスリンというホルモンが分泌されますが、何らかの原因でインスリンが作用が不足すると高血糖の状態が続き糖尿病となります。
糖尿病のメカニズムとして以下の2つのタイプがあります。
- インスリンが効きづらい
- インスリンが足りない
① インスリンが効きづらい
インスリンが出ていても効果が得られにくくなるために起きる糖尿病です。
2型糖尿病と呼ばれるタイプの糖尿病ではこのパターンが多いです。
日本人の糖尿病患者の9割は2型糖尿病であるといわれています。
② インスリンが足りない
インスリンを作る膵臓の細胞が壊れることなどが原因でインスリンが作られなくなることが原因で起きる糖尿病です。
1型糖尿病と呼ばれるタイプの糖尿病や、2型糖尿病の一部でみられるパターンです。
多くの患者さんは①のパターン(もしくはインスリンが効きづらいかつ足りないパターン)で糖尿病になるため、今回は①のパターンで糖尿病になっている方を対象に記事を書きます。
糖尿病になる原因
糖尿病になる原因は以下のようなものがあり、一つだけでなく複数の原因が関わっていることが多いです。
- 食べ物
- 肥満
- 遺伝
- 妊娠 など
糖尿病の原因と食べ物
様々な原因がありますが、血糖値を上げやすい炭水化物を過剰に摂っていケースが多くを占めます。
炭水化物の一例としては以下のようなものがあります。
- 洋菓子
- 和菓子
- 甘いもの
- 白米
- パン
- 麺類 など
またお酒・アルコールの飲みすぎは、インスリンが効きづらくなり糖尿病の原因となります。
糖尿病の原因と肥満
肥満になると、インスリンが効きづらくなり血糖が高い状態が持続してしまいます。
ダイエットを行うことで血糖の状態が良くなるので減量を推奨します。
糖尿病の原因と遺伝
全てではありませんが、親が糖尿病の場合に子供も糖尿病になるケースがあります。
様々な見解がありますが、先天的にインスリンが効きづらいケースもそれなりにあるようです。
一方で家庭環境から食生活や運動習慣がないことが原因になることもあります。
糖尿病の原因と妊娠
もともと糖尿病でなく、妊娠を契機に糖尿病になることがあります。
妊娠期の糖尿病は、お母さん・赤ちゃんともに将来的な糖尿病やメタボリック症候群の発症にも関与し、治療もその他の糖尿病と異なるため専門施設での精査・治療を受けることが推奨されます。
詳しくは日本糖尿病・妊娠学会の「糖尿病と妊娠に関するQ&A」のページをご参照ください。
糖尿病の初期症状
糖尿病になり血糖が高い状態を放置しても、血糖自体があまりにも高くない限り数年の間は症状がありません。
数年後になって、手足のしびれや眼の見えづらさの症状がでます。
詳しくはこちらの「糖尿病の症状 ~私ってもしかして糖尿病?~」のページを参考にしてください。
糖尿病を放置した場合
糖尿病は初期症状はあまりありませんが、そのまま放置していると合併症を引き起こすことがあります。
糖尿病の合併症には以下のようなものがあります。
- 網膜症
- 腎臓病
- 神経障害
- 脳卒中
- 心筋梗塞
- 末梢動脈性疾患 など
治療を行い血糖コントロールをすることで、合併症が起こるのを防ぐことができます。
糖尿病を生活習慣の改善で予防
生活習慣の改善で糖尿病を予防しましょう。大切なことは以下の3点です。
- 食事
- 運動
- 睡眠
食事で予防
食生活で糖尿病を予防するには以下のことに留意すると良いです。
- 食材の選び
- 食べ方
- 食べる時間
- おやつの選び方 など
糖質を減らすことが望ましいですが、糖質の中でも血糖値を上げやすい糖質と、上げにくい糖質があります。
また食物繊維を先に食べることで、糖質の吸収を減らすことができます。
どうしてもおやつが食べたい時は、和菓子・洋菓子よりはナッツ類や果物を選ぶと良いでしょう。
詳しくは「糖尿病に良い食べ物で血糖を下げるための4つの基礎知識」をご参考にしてください。
運動で予防
運動によって、身体の糖分の利用が進むと同時にインスリンが効きやすくなるため血糖値が低下します。
血糖だけでなく、糖尿病になると筋力や骨も脆くなりやすいため運動は非常に良い治療になります。
ウォーキングのような有酸素運動に加えて、スクワットのような筋力トレーニングを組み合わせることで高い効果を出すことができます。
詳しくは「糖尿病にきく運動や筋トレで血糖値を下げるための基礎知識」をご参考にしてください。
睡眠で予防
7-8時間睡眠をとると糖尿病のリスクが低くなります。
5時間以内の睡眠の方は、7-8時間の方と比較して糖尿病発症リスクが2-3倍になると言われています。
最後に
糖尿病の原因についてお話していきました。
この記事をみてドキッとされた方もいらっしゃるかもしれません。
病院に行くのは少しハードル高い....という気持ち、とても分かります。
糖尿病は初期には自覚症状がなく、早く見つけることができればという患者さんを一杯みてきました。
まずはお気軽にご相談ください。
仮に糖尿病であったとしても、軽症であればいきなり薬を出すのではなく、食事療法や運動療法、ダイエットなどの生活習慣の改善で治療をしていくことができることもあります。
自分で色々調べるよりも、一度専門家に相談してアドバイスをもらい、日々の生活の中で実践することを推奨します。
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