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腎臓エコーとは?検査でわかることと異常があるときの対応

こんにちは、透析予防のクリニック、赤羽もりクリニックの院長の森 維久郎です。

今日は、腎臓のエコー検査について書きます。

【目次】

腎臓エコーとは

エコー検査とは、特殊な機械を使用して超音波を使って内蔵の形を観察する検査です。

エコー検査は痛みもなく、放射線による被爆もないので安全に行える検査です。

腎機能が低下していたり尿にタンパクが出ているときに、病態を把握したり、経過観察をするために行われます。

 

腎臓エコーでわかること

腎臓エコーでは、腎臓の形を観察することで腎臓の異常の原因を把握することができます

主に腎臓の形の異常に以下の6パターンがあります

  1. 腎臓の大きさの異常・左右差がある
  2. 腎臓が腫れている
  3. 腎臓に石灰化がある
  4. 腎臓に結石がある
  5. 腎臓に影・嚢胞がある 
  6. その他 など

1.腎臓の大きさの異常・左右差がある

腎臓は長径10cmほどのラグビーボールのような形をした臓器です。

一般的には腎機能が低下すると小さくなっていきますが、以下の原因で腎機能が低下している場合は大きくなっていきます。

  • 糖尿病性腎症
  • 肥満関連の腎症
  • アミロイドーシス など

また以下の原因で腎機能が低下している場合は特に小さくなりやすく腎臓の表面がボコボコしています。

  • 動脈硬化の腎障害 など

右と左の腎臓にサイズに差がある場合は、大動脈から左右の腎臓に向かう動脈の内片方の血流が低下している可能性があり、以下の病気を疑います。

  • 腎血管性高血圧症 など

2.腎臓が腫れている

正確には「腎臓が腫れている」という言い方は正確ではありませんが、腎臓の腎盂(じんう)と呼ばれる腎臓から尿管への移行部が拡張した状態を指します。

腎盂の拡張など腎臓より下流の箇所に異常があり腎機能が低下することを腎後性腎不全と呼びます。

以下のような原因で腎臓→尿管→膀胱と進む尿の流れが妨げられることにより、腎臓に尿がうっ滞することで腎盂が拡張します。

  • 結石
  • ガン
  • 生まれつき など

中等度~高度の場合は、MRI検査などの精密検査が必要です。

3.腎臓に石灰化がある

腎臓にカルシウムが沈着した状態で、ほとんどの場合放置しても問題がないと言われています。

4.腎臓に結石がある

5mm以下の場合は飲水などで自然に排石できるので経過をみることが多く、10mm以上になると破砕術など石を割るような治療を行うことが多いです。

腎結石のみで腎機能低下が起きるのは比較的に少ないですが、腰痛や腹痛などがある場合は医療機関を受診することを推奨します。

5.腎臓に影・嚢胞がある

腎臓に影がある場合は中に細胞が詰まった充実性の腫瘍(しゅよう)と、液体が詰まった嚢胞(のうほう)に分けられます。

前者は悪性の可能性があるため造影CTで精密検査が必要です。

嚢胞については良性のことが多いのですが、あまりにも大きいものや、壁や隔壁が厚いもの、内部に充実成分があるものは悪性の可能性があります。

6.その他

それ以外にも片方にしか腎臓がない場合、馬蹄腎と呼ばれる異常など様々な異常があります。

 

腎臓エコーで異常がある場合 ~何科に受診すればよいの?~

腎臓エコーで異常がある場合は、泌尿器科か腎臓内科のどちらかを受診すると良いでしょう。

泌尿器科に受診するべき時は、結石、がんが疑われるときです。

一方で腎臓内科に受診するべき時は、血液検査や尿検査で腎臓の機能の低下があるときです。

当院は腎臓内科のクリニックですが、腎臓の画像所見の相談も受け付けております。

 

腎臓エコーの費用

腎臓エコーは腎機能低下や、健康診断で何らかの画像の異常を指摘されている場合は保険診療で行うことが可能です。

診察料を除き、3割負担で2000円前後になります。

 

当院でのご受診を希望される方へ

当院では腎臓エコー検査を行っております。

診察の流れとしては、以下のような形になります。

初日:医師の診察+(必要に応じて)詳しい血液検査+尿検査

2回目:エコー検査(木曜日)

多くの患者さんがどの科に受診して良いか迷われていることが多いと思います。

とりあえずご相談を頂き、もし違う診療科に受診が必要な場合はしっかりとご紹介をさせて頂きますので遠慮なくご相談ください。

ご興味がある方は以下のボタンをタップしてください。

~この記事を書いた人~

森 維久郎

日本腎臓学会腎臓専門医

外来診察 年間1万人以上

書籍 合計4冊出版 合計2万部以上

YouTubeチャンネル「じんぞうの学校」登録者数17000人以上

 

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