腎臓病の初期症状をチェックしよう ~この症状って腎臓??~
こんにちは、赤羽もり内科・腎臓内科の院長の森 維久郎です。
今日は、腎臓が悪くなった時の症状について触れたいと思います。
腎臓病の初期症状はあまりない
まず結論から申し上げますと、腎臓病の初期症状はありません。
腎臓の症状としてむくみやだるさが有名ですが、これらの症状が出るのはかなり進行してからになります。
症状の種類や個人差はありますが、腎臓病のステージ4になってから起きることが多いです。
自分の腎臓の状況についてよく分からない方は以下の記事をご参考になってください。
【参考】
「腎臓病のステージ」
腎臓病とは?
腎臓病とは腎機能が低下した状態を指します。
腎機能の低下が進行すると、体内から老廃物が排泄されなくなります。
そのまま放置していると末期腎不全になり、人工透析や腎移植などの治療が必要になります。
腎不全は経過によって急性腎不全と慢性腎不全の2種類があります。
急性腎不全は数日から数週間の間で発症し、慢性腎不全は数年以上かけてゆっくりと進行していきます。
代表的な腎臓関連の症状
腎臓関連の代表的な症状として以下のようなものが挙げられます。
- むくみ
- だるさ
- 尿量が減る
- 貧血
- 頻尿
- 痛み
- 尿の泡立ち など
むくみ
腎機能が低下すると、不要な水分が体内に溜まってしまい体がむくみます。
ただし、腎機能低下が軽度の場合はあまり起きず、腎臓以外の原因も考えた方が良いでしょう。
詳しくは当院の姉妹サイト腎臓内科ドットコムの「腎臓と足のむくみ」をご参照ください。
尿量が減る・頻尿
腎臓は血液の老廃物をろ過して、尿として体外へ排泄する働きをしています。しかし、腎機能が低下すると尿を作る能力が衰えて尿量が減少します。
尿量が減るのは、末期の症状のため、血液検査などで現在の状態を確認することをお勧めします。
また頻尿は、尿量が減る前に見られる症状で、尿を濃縮する機能が低下することで起きます。
詳しくは当院の姉妹サイト腎臓内科ドットコムの「腎臓と頻尿」をご参照ください。
だるさ
だるさは腎機能低下が進行するとよく見られる症状の一つです。
腎機能が低下すると、尿から不要な毒素が外に出せなくなり溜まっていきます。
すると、疲れやすさやだるさを認めることがあります。
ただし、腎機能低下が軽度の場合はあまり起きず、腎臓以外の原因も考えた方が良いでしょう。
貧血
腎臓は尿を排泄するだけでなく、ホルモンを分泌する働きもしています。そのため、腎機能が低下すると、エリスロポエチンという血液をつくるホルモンの量が減り貧血が起きます。
この貧血は、心臓・腎臓の障害に繋がるため必ず治療が必要です。
個人差はありますが、腎臓病ステージ4になってくると治療を始めることが多いです。
詳しくは当院の姉妹サイト腎臓内科ドットコムの「腎臓と貧血」をご参照ください。
痛み
腎機能が低下しても痛みが出ることは少ないです。
ただし腎臓の感染である腎盂腎炎や、尿管結石では痛みを生じます。
これらは感染の治療は結石の治療を行うことで症状が改善するのが一般的ですが、慢性的に続くと腎機能低下につながることもあります。
診療科は、腎臓内科ではなく泌尿器科に受診するのが望ましいです。
詳しくは日本泌尿器科学会の「腎臓の痛み」のページをご参照ください。
尿の泡立ち
尿の泡立ちは、腎臓から異常にタンパクが漏れる病気になると認める症状です。
タンパク尿は腎臓のSOSのような役割を担うため、必ず早期発見のための対応が必要です。
詳しくは「タンパク尿を指摘されたらまず読んでほしい記事」のページをご参照ください。
便秘
腎機能低下に伴い、善玉の腸内細菌の減少や腸管血流の障害により便秘症状が出ることがあります。
近年、この便秘症状を改善することにより腎臓病に良い影響を与えることが分かっているため便秘がある場合は、治療をすることが望ましいです。
詳しくは姉妹サイト腎臓内科ドットコムの「腎臓病と便秘」のページをご参照ください。
代表的な腎臓病の合併症
腎臓病になっても初期症状はあまりありませんが、体の中には早期の段階から以下のような変化を引き起こします。
- 心臓病のリスクを増やす
- 筋肉や骨の衰えを早める
- 歯周病を引き起こす
- 認知症リスクを増やす など
そのため、症状がないから問題が無いわけではなくこれらの合併症に対応する必要があります。
詳しくは姉妹サイト腎臓内科ドットコムの「慢性腎臓病と合併症」のページをご参照ください。
後回しにせずに医療機関へ
このページを見ている方には、最近不調が気になり、インターネットで調べてみたところ腎臓のような気がしてこのページにたどり着いた方も多くいらっしゃるようです。
もしかしたら腎臓とは関係ないかもしれませんが、中にはもっと早く見つけておけばよかったと思う事例も。。
勇気を出して、医療機関で一度血液検査・尿検査を行い腎臓の評価をしてみても良いと思います。
受診する診療科は腎臓内科が望ましいですが、中には周りに腎臓内科のクリニックがないこともあるので内科のクリニックでも最低限の検査を行えると思います。
当院であれば、血液検査でクレアチニン・シスタチンCという項目、尿検査で尿タンパク定量検査という項目を中心に検査を行い、必要に応じて腎臓エコーなどを行います。
参考
関東圏の方であれば当院をご利用頂いても良いと思います。(実際、腎臓のことで当院を受診される患者さんの半数以上は県外から受診されています。)
▼当院の腎臓内科について詳しく知りたい方はこちらのページをご参照ください。(診療内容・アクセス・診療時間・よくある質問など)
▼さらに詳しく腎臓について知りたい方は当院が運営する「腎臓内科ドットコム」のサイトをご参照ください。
▼クリニックについてはこちら
▼腎臓病について知りたい方はこちら
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