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腎性貧血とは(症状、原因、診断、治療)

赤羽もり内科・腎臓内科 院長「森 維久郎」

こんにちは、赤羽もり内科・腎臓内科の院長の森 維久郎です。

腎臓病の治療として注目を集めている貧血についてご相談を頂くことが多くなってきたので触れたいと思います。

え、腎臓なのに貧血が関係あるんですか?と思われた方も多いと思いますが、非常に重要なので是非最後まで読んでください。

腎性貧血とは

腎臓は血液を作るエリスロポエチンというホルモンを分泌することで造血の役割を担います。

腎機能が低下すると、エリスロポエチンの分泌が低下して貧血が起きます。

この貧血を腎性貧血(じんせいひんけつ)と呼びます。

貧血は、酸素を運搬するヘモグロビンと呼ばれるタンパクが不足することで、体の臓器に十分な酸素を送ることができなくなります。

腎性貧血は単に貧血が起きるだけでなく、腎臓や心臓に負担をかけるため、しっかり治療を行う必要があります。

貧血、腎不全、心不全は上記のように密接に関わりを持ち、心腎貧血症候群(しんじんひんけつしょうこうぐん)と呼ばれる悪循環を引き起こします。

慢性腎臓病ステージ4になってくると腎性貧血の治療が必要になることが多いです。

腎性貧血の症状

症状としては以下のような症状があります。

  • 疲れやすい
  • 息切れ
  • 動悸
  • ぼんやりする など

腎臓病での貧血の原因

貧血の原因は腎機能低下だけでなく多岐にわたり、以下のような原因があります。

  • 鉄分の不足
  • 生理などの出血過多
  • 亜鉛・ビタミンB12・葉酸・亜鉛の不足 など

原因によって治療が異なるため、腎臓病の患者さんの貧血では腎性貧血以外の原因が隠れていないかを血液検査で適宜確認します。

腎性貧血の診断

腎性貧血の診断のためには腎機能低下以外の原因を除外を行う必要があります。

そのために血液検査を中心とした検査を行います。

補助的に造血ホルモンであるエリスロポエチンを測定することも可能です。

腎性貧血の治療

腎性貧血の治療目標

腎臓病の患者さんでは貧血を治療することにより、以下のような効果が期待できます。

  • 腎機能の進行抑制
  • 生命予後の改善
  • 心不全のリスクの低下

そのため、ヘモグロビンと呼ばれる血液検査の項目で貧血の状態を評価して以下のような値を目標にします。

ヘモグロビン値 → 11-13g/dl

多すぎても、少なすぎても良くないので、適宜血液検査をしながら適切な値であるかを確認していきます。

腎性貧血の治療薬

腎性貧血の治療として、「ESA製剤」と「HIF-PH阻害薬」と呼ばれる二つの薬があります。

ESA製剤

腎臓が分泌されるエリスロポエチンが不足するため、直接補充する注射薬の治療です。

ESA製剤には以下のようなものがあります。

  • ネスプ
  • ミルセラ
  • ダルべポエチン など
HIF-PH阻害薬

ここ数年で誕生した新しい腎性貧血の薬です。

一番の特徴は注射ではなく飲み薬な点です。

ESA製剤と異なりエリスロポエチンを直接補充するのではなく、体内のエリスロポエチンを有効活用させる効果があります。

現在使用されている薬には以下のようなものがあります。

  • ダーブロック
  • バフセオ
  • エベレンゾ など 

最後に

赤羽もり内科・腎臓内科 院長「森 維久郎」

いかがでしたでしょうか?

腎臓病で貧血と言われた場合はしっかり治療をおこなうことで腎臓病における健康を守ることができます。

当院でも腎性貧血に治療は積極的に行っております。

関東圏で腎臓でお悩みの方であれば、当院でもご相談できますので遠慮なくご用命ください。

もし当院の診療にご興味がある場合は、以下の紹介ページご覧ください。

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