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糖尿病にダイエットは効果がある?糖尿病と肥満の関係

こんにちは、赤羽もり内科・腎臓内科の院長の森 維久郎です。

今日は糖尿病とダイエットについて解説しようと思います。

糖尿病になると痩せましょうと主治医から言われることが多いと思いますが、糖尿病とダイエットについて詳しく解説していきます。

(この記事は当院の管理栄養士の河内と作成しております。)

目次

  1. 糖尿病と肥満の関係
  2. 糖尿病にダイエットは効果があるのか?
  3. 糖尿病のダイエットの食事
  4. 糖尿病の薬でダイエットができる?
  5. 糖尿病で痩せたら治ったは本当か?

糖尿病と肥満の関係

糖尿病は血糖値が持続的に高くなった状態を指します。

糖尿病には膵臓から産生される血糖値を下げるインスリンというホルモンが大きく関わっています。

「インスリンが不足している」もしくは「インスリンが効きにくい」ことが原因で血糖値を下げきれないため高血糖の状態が持続します。

肥満の場合、脂肪が原因でインスリンが効きづらくなります。

最初は膵臓に鞭を打ちインスリンを無理して多めに出すことで血糖値を下げますが、次第にインスリンを出す能力が枯渇してインスリンが不足するようになります。

 

糖尿病にダイエットは効果があるのか?

ダイエットを行うことで、インスリンの効きづらさを解消して、膵臓に負担を減らしながら血糖値を下げることが可能になります。

当院に通院されている方でも、ダイエットをして糖尿病の薬を減らしたり、休薬して過ごされている方もいらっしゃります。

体重の減らすスピードについては特に決まりはありませんが、1か月1kgずつ継続的に減らすと良いと思います。

単純計算して脂肪で1kgを減らすために7200kcalの消費が必要と言われており、1日あたり240kcal減らすのを継続的に続けていけばよいです。

240kcal減らそうと思うと運動ではウォーキングを1時間ほどする必要があり、食事ではビール約1杯を控える必要があります。

 

糖尿病のダイエットの食事

血糖値スパイクを防ぐ

食後の血糖値が急上昇・急降下を起こすことを「血糖値スパイク」といいます。

血糖値が急上昇すると、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。

インスリンは脂肪を蓄える働きがあるので分泌される量が多いとどんどん脂肪を蓄えます。

そのため血糖が急激に上がらないような食べ方を意識しましょう。

1 GI値が低い食品を選ぶ。

GI値とはグリセミックインデックスの略で、数値が高いものほど血糖値が上がりやすくなります。

食パン、白砂糖、うどんより、玄米、雑穀ご飯、ライ麦パンなど食物繊維が一緒に含まれるものだとGI値が低く、吸収が緩やかです。

2 ベジファースト

食事の最初に食物繊維をとることで糖質の吸収を抑え、血糖値が緩やかに上がります。

同じ食事の内容でも野菜やタンパク質から最初に食べるだけで吸収率が変わります。

3 PFCバランスを整える

ラーメン・ライスのように糖質×糖質になっていたり、間食で糖質を多くとっている場合は食事が糖質に偏ります。

糖質だけ食べは血糖値スパイクを起こしやすいです。

タンパク質、脂質、糖質のカロリーバランスが重要になります。

糖尿病の食事と運動の治療については「糖尿病に良い食べ物で血糖を下げるための4つの基礎知識」、「糖尿病にきく運動や筋トレで血糖値を下げるための基礎知識」をご参照ください。

糖尿病の薬で痩せるって本当?

嘘のように聞こえるかもしれませんが、糖尿病の薬の中で以下のような減量効果が期待できるお薬があるのは本当です。(ただし日本で保険適応があるのは糖尿病がある方のみです。)

  • GLP1受容体作動薬
  • SGLT-2阻害薬

GLP1受容体作動薬

GLP1受容体作動薬はインスリンを分泌を促し血糖値を下げるGLP1というホルモンを働きやすくして血糖値を下げる薬です。

同時に脳の食欲を司る視床下部に作用して食欲を抑えたり、胃に作用して満腹感を得やすくすることで体重を減らすこと効果が期待されています。

 

SGLT-2阻害薬

SGLT-2阻害薬は、余分な糖を尿から出すことで血糖値を下げる薬です。

血糖値を下げるだけでなく、以下の効果がありでここ数年使われるようになった薬です。

  • 心臓を保護する
  • 腎臓を保護する など

加えて1日あたり約300-400kcal程度のカロリーを尿から排泄するため体重を減らす効果も期待されています。

SGLT-2阻害薬の副作用は以下のようなものがあります。

  • 脱水(投薬してから1か月以内で起きることが多いです。)
  • 尿路感染症
  • 性器の感染症(女性が多い)
  • 低血糖 など

対策として、SGLT-2阻害薬を開始後1か月は、水をしっかり飲んでください。(目安として、普段よりペットボトル500ml/日飲むと良いです。)

また、ご飯やお水が飲めないような病気になった時(=シックデイの時)は、血糖変動や脱水になるリスクが増えるので休薬して医師に相談してください。

 

糖尿病で痩せたら治ったは本当か?

最後に本題ですが、厳密には「糖尿病で痩せたら治った」は誤りです。

肥満がある糖尿病でダイエットを行うことで血糖値をコントロールすることはできます。

しかしこれは糖尿病が完治したわけではなく、体重がもとに戻るとまた血糖値が高くなります。

そのため、体重を落とした状態を維持することが一番大切でリバウンドをしたら意味がありません。

治ることはありませんが、血糖値をコントロールして人によっては薬なしで上手に付き合うことは可能です。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

残念ながらダイエットをしても糖尿病は治るわけではありません。

しかしダイエットを行ない肥満を是正することで薬を飲まずに糖尿病ではない人と同じような生活を送れる可能性もあり、そうでなくても薬の量を減らすなど多くのメリットがあります。

当院では糖尿病の専門外来を開設しており、管理栄養士による食事相談も可能です。(またダイエットに特化した外来もおこなっております。)

ご不明な点がございましたら遠慮なくご相談ください。

webより、診察のご予約を受け付けております。

もし当院の診療にご興味がある場合は以下の紹介ページも一度ご覧になってください。

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